中国の植物性乳製品メーカーViee(唯怡)が、米PEファンドL Cattertonからの資金調達に成功

中国最大の植物性飲料メーカーの一つであるViee(唯怡)が、米国のプライベート・エクイティ・ファンドL Cattertonからの株式出資を受けたと発表しました(出資金額は非公開)。

スパイスを「中和」する乳飲料として定着


1992年に設立されたVieeの植物性乳飲料は、同社が拠点を置く四川省や重慶市といった地域特有のスパイシーな料理の「中和剤」とされ、地元の人々の間で定番となってきました。

中国人消費者の間で高まる健康志向に応えるため無添加・防腐剤不使用の製品づくりにこだわっており、地元で高いリピート購入率を誇っているほか、近隣の陝西省、貴州省、雲南省でも高い支持を得ているといいます。

L Cattertonによると、これらの地域では55万を超える箇所で販売されており、Vieeは炭酸飲料を除くノンアルコール飲料で最も売れているブランドになっているとのこと。

代替ミルクや飲むヨーグルトは、ピーナッツとクルミをベースにビタミンEとビフィズス菌を加えた製法。ジャスミンやキンモクセイなどで風味付けした、オーツミルクや豆乳もラインアップしています。

今回の取引の詳細は明らかにされていませんが、Vieeが近隣の省でもさらなるプレゼンスを発揮し、全国展開に向けた支援も行うための戦略的投資とされています。

L Cattertonは、Vieeの「垂直統合されたサプライチェーンと幅広い代理店網」を高く評価。また、同社の収益が明らかな上昇トレンドにあり、2023年には過去最高を記録していることも投資の決め手となった様子です。

健康志向の高まりに合わせて市場が成長


新型コロナ禍以降、中国の消費者にとって健康が最大の関心事となり、政府も「健康中国2030」政策の一環としてより栄養価の高い食品を優先。

GlobalDataのレポートでも、低カロリーの清涼飲料が2022〜23年にかけて40%近く成長しており、「パンデミック後の健康意識の高まりは、より多くの人々を健康的なライフスタイルに向かわせ、甘い飲料の消費を減らすよう促した」と示唆されています。

L Cattertonは、中国で外食や宅配サービスの利用が増加したことで、食事と一緒に消費される飲料の市場が2028年までに600億ドル(約8兆8,500億円)に達する見込みとしたデータを引用。

ノンアルコール飲料の市場も、Z世代を中心により健康的な飲料や天然由来の原料に対するニーズが高まっている背景から、外食産業におけるアルコール飲料のシェアを侵食しつつあるとしています。

このようなトレンドに対応して、ネスレは先日、中国で6種類のコーヒーを新発売。そのうちの2種類はヴィーガン対応で、低糖、低脂肪、高繊維質といった特徴を売りにしています。

参考記事:
L Catterton Makes Strategic Investment in Viee
Chinese Plant-Based Dairy Giant Viee Gets Private Equity Backing for ‘Spice-Neutralising’ Beverages

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