• HOME
  • ニュース
  • 微生物発酵
  • 新たなガス発酵スタートアップAerbioが誕生、CO₂と水素をタンパク質原料に変換するパイロットプラントの稼働を開始

新たなガス発酵スタートアップAerbioが誕生、CO₂と水素をタンパク質原料に変換するパイロットプラントの稼働を開始

ガス発酵を手掛けるAerbioが、CO₂と水素を持続可能なタンパク質原料へと変換するパイロットプラントの本格稼働開始を発表しました。

英国企業のバイアウトにより事業再編


Aerbioは先月、英国企業Deep Branch BiotechnologyのMBO(マネジメント・バイアウト)により誕生。Kaspar Kristiansen(CEO)、Rob Mansfield(CTO)などの中核経営陣が事業を買収し、新会社として再スタートを切りました。

デンマークに本社を置く世界的なジュエリー企業パンドラのCEOを務めたAlexander Lacikや、カールスバーグの前副社長Birgitte Skadhaugeを役員に招聘し、経営体制を強化しています。

多くの発酵プロセスが微生物の栄養源として糖を使用している一方、Aerbioは空気中に豊富に存在するCO₂と水素を活用。

従来のタンパク源に比べてカーボンフットプリントが最大90%低く、初期の小規模試験の結果から、従来の飼料原料と同等の栄養効果があることが認められています。

月産200kgの生産ラインを稼働開始


Deep Branch Biotechnologyの有する知的財産のポートフォリオに加え、Aerbioはオランダのリンブルフにある生産施設を取得。月産200kg超の生産が可能なパイロットラインを本格稼動させました。

家畜飼料や水産飼料向けに、持続可能なタンパク質を豊富に含んだ原料「Proton」の商用化を進める計画で、今後数カ月以内に最初の製品出荷を予定しています。

また、市場投入に焦点を当て年間250トンの生産能力を持った実証施設の建設も進行中。それに続く商業施設では、年間10万トンの生産を計画しているとのことです。

同社は、水産飼料メーカーのBioMarをはじめ、Scottish Sustainable Aquaculture Innovation Centre(SAIC)、Drax、Sainsbury’sなどとの提携を実施。

現在はシリーズAラウンドで最大5,000万ユーロ(約81億円)の資金調達を計画し、第4四半期をクローズ時期の目標に掲げています。

参考記事:
Unveiling Aerbio, the future of fermentation | Aerbio
From Deep Branch to Aerbio: Rebranding, buyout, and the debut of gas to feed pilot facility
Aerbio unveils its fully operational pilot line planning the future of sustainable protein production – Aquaculture Magazine
Aerbio’s Proton feed takes a step forward with Netherlands pilot facility – World Bio Market Insights

関連記事

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。