代替脂肪開発のMelt&Marble、1万リットルへの生産スケールアップに成功
精密発酵により代替脂肪を開発するスウェーデン企業Melt&Marbleが、容量1万リットル超のデモ生産に成功したと発表しました。
商業生産に向けた重要なマイルストーンを達成
Melt&Marbleによると、菌株の性能などの目標とする指標を維持したままバイオリアクターの容積を10倍にまで増加させ、1万リットル規模へのスケールアップを実現したとのこと。
同社は今年3月にパイロットスケールのバイオリアクターを備えた新本社を開設しており、数万リットル規模での商業生産を達成できる見込みとしていました。
同社の代替脂肪は、代替肉、製菓、ベーカリー、パーソナルケアなど幅広い用途に使えるよう設計されたもの。中でも牛脂は、植物性食品と動物性食品との間に存在する「味のギャップ」を埋めるのに役立つといいます。
CBO(最高業務責任者)を務めるThomas Cresswellは、「これは、当社製品の商用化という目標に向けた極めて重要なステップだ。いくつかのパートナー企業とすでに開始しているパイロットプロジェクトを加速させることができ、より良い代替品を求める世界的な需要への早急な対応が可能になった」と語っています。
2025年までに米国進出へ
Melt&Marbleは、今年5月のシードラウンドで500万ユーロ(約7億8,700万円)を調達。このラウンドはLever VCがリードインベスターとなり、Be8 VenturesとGood Startupが参加しました。
7月には、欧州イノベーション協議会(EIC)のアクセラレータープログラムで276万ユーロ(約4億3,400万円)を獲得。
申請したスタートアップ企業969社のうち、バイオマス発酵企業のMillow、代替パーム油開発のNoPalm Ingredientsなどとともに、資金提供を受けた68社に名を連ねています。
今後は、米国食品医薬品局(FDA)からの販売認可を得て、2025年初頭までに代替脂肪を米国市場に投入する計画です。
参考記事:Fermented Fats Designer Melt&Marble Achieves 10,000-Liter Production Milestone
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