米AQUA Cultured Foods、シカゴの人気レストランで生の代替マグロを提供開始

7月にGRAS自己認証を取得したAQUA Cultured Foodsの代替シーフード製品が、ついに外食分野に登場。ミシュランガイドのビブグルマンに選ばれた、米国・シカゴの人気レストランにデビューを果たしました。

従来品と見分けのつかないセルロースベースのシーフード


スペイン出身のシェフMarcos Campos Sanchezが経営するシカゴのレストラン「Mama Delia」は、生のマグロを用いた料理(左写真)の一部として、AQUA Cultured Foodsの製品「AQUA Tuna」を導入しました。

このメニューはポテトと目玉焼きを合わせて提供されますが、リクエストに応じてヴィーガン対応も可能とのこと。シェフは「見ただけでは違いが分からないほどで、味も市販の冷凍マグロより美味しい」と評し、今後ほかのメニューへの採用も計画しているといいます。

AQUA Cultured FoodsがGRAS認証を取得したホールカットマグロとホタテは、水と食物繊維(セルロース)に、発酵させた植物由来成分などを合わせた製法。使用する香料と着色料も植物由来で、マグロの赤味はビーツ由来の色素を加えて再現しています。

アレルゲンフリーで、マイクロプラスチックや水銀による汚染もないため妊娠中でも安心して食べられ、コレステロールや飽和脂肪酸も含んでいません。

安定した品質を実現、長期保存も可能


2021年にシカゴで設立されたAQUA Cultured Foodsは、生産拡大のため昨年550万ドル(約8億4,300万円)を調達。今年3月には合成生物学企業のGinkgo Bioworks提携し、発酵に用いる菌株の最適化に取り組むなど開発を進めていました。

シェフのCamposは、従来のマグロと比べた「AQUA Tuna」の利便性と持続可能性を強調しています。

「Mama Delia」を抱えるBonhomme Hospitality Groupはシカゴに12店舗を展開していますが、従来の生マグロの供給と品質にばらつきがあり、一貫したメニューを提供することが難しいという問題に直面していました。供給上の制約から、必然的に価格も変動し、レストランの利幅はすでに赤字寸前のラインになっているといいます。

「AQUA Tuna」の魅力は、一貫した品質と鮮度、安定した供給と価格、そして切り身にする手間がかからず無駄が出ないことが魅力。従来のシーフードの賞味期限とされる3~4日に対して、冷蔵庫で6週間保存できることは、食品廃棄を減らす一助ともなります。

外食産業の企業は現在、この製品を直接購入することが可能。生食用とされているため、生の魚介類と同じように取り扱えばよく、特別なトレーニングは必要ありません。

参考記事:
AQUA Cultured Foods | Facebook
AQUA Cultured Foods Debuts its Unique, Raw ‘Tuna’ at Chicago Michelin Restaurant
AQUA Fish-Free Seafood Makes a Splash on Restaurant Menus | NOSH.com

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