韓国企業のMillennial Flavor Townが霜降り発酵ステーキを発表、米国と欧州で発売へ

代替肉を手掛ける韓国のフードテック企業Millennial Flavor Townが、先週ロンドンで開催された「Plant Based World Expo Europe」で、新製品の「MM Beef」を披露しました。米国と欧州の市場への参入を見据えています。

植物由来原料+発酵の強み


この新製品は、霜降りステーキとシュレッドビーフの2種類をそれぞれ醤油とトリュフの風味で展開。『The New York Times』などの主要メディアでも取り上げられています。

製法としては、大豆、シロカノシタ(キノコの一種)、マッシュルーム、米麹、ココナッツオイル、オリーブオイルに、肉の赤味を加えるビーツパウダーをブレンドし、韓国でも伝統的な発酵を用いて製造したホールカット肉。

発酵工程が深いうま味と豊かな食感、霜降り状の構造を形成するほか、栄養価も向上させ、必須アミノ酸をすべて含んだ完全タンパク質製品を生み出します。

ホールカット肉は、これまでの植物性代替肉製品に比べ優れた風味と食感で人気を博しており、米国のChunk Foods、スイスのPlanted、デンマークのMATR Foodsなども同様に植物由来原料を発酵させた製品を発売しています。

消費者ニーズの高まるホールカット製品


共同創業者のBakrin Ahnは、2020年にソウル市内にレストランをオープンさせたところから事業を開始しました。シェフとして伝統的な韓国料理をヴィーガンにアレンジした料理を提供しながら、Millennial Flavor Townを立ち上げ、消費者向け製品にも着手しています。

米国の消費者を対象とした調査では、回答者の42%が「食感」を理由に代替肉を躊躇していることが判明。英国でも51%の人が、代替肉を好まない最大の要因として「味と食感」を挙げています。より良い食感の実現に向けて、ホールカットや脂肪の霜降りを再現することは、業界企業にとっての最終目標となってきました。

イスラエルのRedefine Meatは、こうした消費者需要に応えてホールカット肉製品を最初に発表した企業の一つ。3Dプリンターを使って動物の筋肉組織に似た繊維を作り出し、有名シェフからも支持される製品を小売り・外食市場に展開しています。

2021年に「世界初の植物性霜降りステーキ」を発表したスロベニアのJuicy Marblesは、植物性タンパク質の繊維を重ね合わせ、固まったヒマワリ種子油の沈殿物によりリアルな脂肪の霜降りを再現しています。

参考記事:
Wagyu Beef Steak ‘Masterpiece’ by Korea’s Millennial Flavor Town Premieres at PBWE Europe
Korean Startup Debuts Fermentation-Derived Marbled Wagyu Steak Ahead of US & Europe Launch

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