培養肉開発を進めるGourmey、ミシュランシェフから料理に関する助言を受けるアドバイザリーボードを設置

フランスの培養肉企業Gourmeyが、イノベーションを推し進めるため、世界のトップシェフを集めた業界初の料理に関するアドバイザリーボード(諮問委員会)を設置したと発表しました。

3大陸のシェフとの提携が実現


この委員会には、米国を拠点に活動するフランス人シェフのClaude Le Tohic、デンマーク・コペンハーゲンのレストラン「Alchemist」で美食とアート、テクノロジー、物語を融合させた没入型体験をゲストに提供しているRasmus Munk、そしてフォーシーズンズホテル 丸の内東京にある「SÉZANNE(セザン)」で総料理長を務めるDaniel Calvert(ダニエル・カルバート)が参加。

Gourmeyによると、この3人は同社初の培養フォアグラ製品に感銘を受けたとのこと。豊かな風味と繊細な口当たりを持っていることに加え、生のままでも形状を崩さず、フライパンで炙ると、中身はクリーミーな状態を保ちながら外側がキャラメリゼされた質感を形成する点を称賛しています。

料理の伝統と遺産に敬意を表しつつ、「未来に目を向ける」ことを目的としたこの製品は、同社がいち早く開発に成功し、昨年シンガポール、米国、欧州連合(EU)などで一挙に認可申請を行いました。

いずれもミシュランの2つ星以上を獲得している名だたる一流シェフの助力を得て、ユニークな料理の考案など、Gourmeyのイノベーションを活用する創造的な方法を模索し、また製品についての定期的なフィードバックを受ける予定です。

高級フレンチを持続可能なイノベーションの触媒に


Le TohicはGourmeyの製品を使って、5種のスパイスとソーテルヌ(極甘口の貴腐ワイン)で風味付けをした霜降りの培養フォアグラを創作。CalvertはSÉZANNEのゲスト向けに培養フォアグラを使った北京ダックを開発し、「私がそうであったように、オープンマインドでこの体験を楽しんでほしい」と語りました。

Munkは、「培養フォアグラは、人々に愛されながらも多くの場合禁止されている食材をシェフの手元に戻す機会を与えてくれる代表例だ。動物福祉の改善に向け、こうした一歩一歩が非常に重要だと考える」とコメントしています。

Gourmeyは、オートキュイジーヌ(コースで出される伝統的な高級フランス料理)を持続可能なイノベーションの触媒として働かせ、持続可能性を高めた高級食肉に対する世界的な需要に対応することを目指しています。

一流シェフが持つ地域的な強い影響力が高級食肉の流通チャネル開拓を加速させるとの期待から、高級食品を扱う流通業者、サプライチェーンの専門家、共同研究者とのパートナーシップを確保してきました。

同社CEOのNicolas Morin-Forestは、「料理のトレンドを作り出す世界で最も革新的なシェフたちがリーダーシップを発揮することで、当社の製品を世界中の人々に紹介し、消費者に比類のない食体験を提供することができるだろう」とコメントしています。

参考記事:
Does faux foie gras grown from duck cells fit the bill?
Gourmey unveils ‘industry-first’ culinary advisory board with Michelin-starred chefs | The Cell Base

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