ドイツ企業のCambriumがBrenntagと提携、欧州の主要市場でヴィーガンコラーゲンを発売へ

ドイツのバイオテクノロジー企業Cambriumが、グローバルに化学品・原料の販売を手掛けるBrenntagとの提携を発表しました。

欧州の周辺国の美容・パーソナルケア市場に、精密発酵により生産したヴィーガンコラーゲン「NovaColl」を導入する狙いです。

ヴィーガン認証取得の代替コラーゲン


2020年創業のCambriumは、人工知能(AI)を駆使して高性能な新規有効成分の設計を行う企業。2023年に、精密発酵の技術を用いて作られた、皮膚の層全体を通して強力な効果を発揮する微小分子構造を有するヴィーガンコラーゲン「NovaColl」を発表しました。

数多くのスキンケア用途の製剤に組み込むことができ、肌の自然な構造をサポートし、外見をより若々しく見せる効果があるとされています。

この技術により、Cambriumは昨年『WIRED』誌の「Europe’s 100 Hottest Startups」にも選ばれ、「Deep Tech Award」など複数の賞を受賞しています。

同社のパーソナルケア部門責任者を務めるLucile Bonninは、「AIが設計した有効成分という当社のコンセプトに対する市場の反応を確かめることができた。今回の提携は、分子レベルのイノベーションをいかに巨大なインパクトに変えることができるかを示す好例だ」とコメントしています。

Brenntagは、1月14日と15日にパリで開催される見本市「Cosmet’Agora」でNovaCollの展示を行う予定です。

加速する持続可能なコラーゲン開発


コラーゲンは身近なスキンケア製品に使われるごく一般的な成分ですが、動物組織に由来するのが通常。動物福祉と環境側面の課題に対処するため、近年はアニマルフリーの持続可能な代替品開発に取り組む企業が増加しています。

米国のスタートアップ企業Jellatechは、牛や豚の細胞を培養してコラーゲンを生成させることで、生物学的に同一のコラーゲンを生産。

培養肉の開発と社会実装を進めるイスラエルのAleph Farmsも、2022年に培養コラーゲン生産のための新たなプラットフォームを開発中と発表しました。

精密発酵を活用する企業の中では、2018年に米Geltorが世界に先駆けて開発に成功。世界で初めて培養レザーの開発に着手したModern Meadowも、独エボニックとの提携により商品化を目指しています。

参考記事:
Brenntag Specialties partners with Cambrium to introduce ‘NovaColl’ Vegan Collagen in key European Beauty & Care markets | Brenntag
Brenntag Partners With Cambrium to Launch Skin-Identical Vegan Collagen in Key European Markets

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