Beyond Meatが2024年の決算報告を実施、中国事業を一時停止し従業員の6%を削減へ

米国の植物性代替肉大手Beyond Meatが、2024年第4四半期および通期の決算報告を実施しました。

コスト削減による利益率の改善とともに、年の後半には売上高がやや増加しましたが、引き続き経営は赤字。2026年末までの黒字化を目標に、全体で6%に上る人員削減や、中国事業の停止などの施策を明かしています。

2025年半ばまでに中国事業の停止へ


Beyond Meatの2024年第4四半期の売上高は、前年比4%増の7,670万ドル(約114億円)。2024年通期では同5%近く減少し、3億2,650万ドル(約486億円)となりました。

純損失は、2023年の3億3,810万ドル(約503億円)から2024年には1億6,030万ドル(約239億円)まで縮小したものの、依然として赤字経営が続いています。

創業者でCEOのEthan Brownは、2024年は同社にとって極めて重要な年であったと述べ、コスト管理と経営効率の改善に触れました。

さらなる経費削減のため、同社は北米および欧州の非生産部門の従業員を17%(約44名)削減する計画。さらに、2020年にヤム・ブランズと提携しピザハットやKFCで製品展開を行っていた中国市場からの撤退を決め、2025年半ばまでに事業を停止する予定です。

これにより、中国で雇用されていた従業員のほぼ全員(20名余り)が解雇され、退職金と資産評価損に関連する一時的なコストが発生することになり、その額は1,200〜1,700万ドル(約17億9,000万〜25億3,000万円)と見積もられています。

外国の外食チャネルが成長に転ずる


Stock Investによると、植物性食品の健康効果に関する消費者の認識が変化し、植物性代替肉を中心に「超加工食品(UPF)」として避けられる動きが広がったことで、メーカーの業績悪化につながっているというのが株式アナリストの見方です。

ユニリーバは、2018年に買収した「The Vegetarian Butcher」ブランドを売却する検討に入り、植物性食品カテゴリーを縮小させる計画。ネスレも同様に、2023年には販売不振を理由に英国で「Garden Gourmet」と「Wunda」ブランドを廃止しました。より収益性の高いブランドに絞り込む戦略の一環として、米国でも「Sweet Earth」ブランドを縮小しています。

厳しい経営環境の中、Beyond Meatは製品ポートフォリオの拡大を継続。2024年第4四半期は、米国の小売りチャネル(5.7%増)と外国の外食チャネル(9%増)で成長が見られ、業績改善を牽引しました。

第3四半期は、外国の外食チャネルで唯一悪化が見られていましたが、フランスのマクドナルドやジョージアのウェンディーズへの進出があり、第4四半期では成長に転じています。

また、全体として数量ベースの売り上げは減少したものの、割引率の低下と一部製品の値上げが功を奏し、単位重量あたりの純収入が増加しました。

超加工食品との批判に対抗


CEOのBrownは、2025年の目標として大きく4つに言及。1つ目は、持続可能な経営に焦点を当てながら、売上高を前年並みに維持すること。2つ目は、売上総利益率を20%まで改善させること(昨年は13%)。

3つ目は、営業費用のさらなる削減を進め、2026年末までにEBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)をプラスに転じること。そして4つ目には、流動性を改善し、資本構造を最適化することを挙げています。

Brownは、超加工食品排斥の動きについて、既存の食品メーカーや食肉産業が「加工」という言葉を武器として用いることで、植物性のカテゴリーを弱体化させ現状を維持する試みを続けていると指摘。

中には誤った情報が流布される場合もあり、これらは前向きな変化を求める消費者に「深刻な不利益をもたらす」としながらも、Beyond Meatとしては健康・環境面でのメリットをうたい、最終的には勝利すると断言しています。

参考記事:
Beyond Meat Cuts Costs and Exits China as Industry Responds to Market Challenges
Beyond Meat to Suspend China Operations, Cut 9% of Its Workforce As Q4 Earnings Improve
Beyond Meat to lay off 6% of its workforce and suspend operations in China

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