英国のLidlが植物性食品の販売目標を突破、2020年以降の5年間で約700%の成長を記録

ドイツに本社を置くディスカウント食料品チェーンのLidl(リドル)が、英国における植物性食品の販売目標を大幅に上回ったと報告しました。
昨年リニューアルしたPB製品が大きく成長
Lidlの英国法人(Lidl GB)が2025年に向けた当初の目標として掲げていたのは、自社ブランドの代替肉と乳製品を合わせた売り上げを2020年比で400%増加させること。
これは植物性食品を推奨し、2050年までに赤肉の摂取量を半減させるというPlanetary Health Diet(プラネタリーヘルスダイエット)のより広い目標へのコミットメントの一環でした。
この達成に向けて昨年プライベートブランドの「Vemondo Plant!」シリーズをアップデートし、ベジタリアン協会(Vegetarian Society)が新たに導入したプラントベース認証マークを導入。すると予想を超える勢いで成長して目標を大きく上回り、実際には5年間で694%の伸びを記録したと報道されています。
これを受けて同社は、豆腐のマリネ、ファラフェル、トルテリーニ(指輪状にして中に詰め物をしたパスタ)など、20の新商品をシリーズに追加しました。
同社は昨年、2030年までに全タンパク質の売上高(数量ベース)に占める植物性タンパク質の割合を25%に増加させ(2021年時点では14%)、代替乳製品の売り上げシェアを2021年の6.4%から倍増させるよう目指すと発表。
植物性タンパク質に関する具体的な目標を設定した英国初の小売業者と称し、同カテゴリーで前年比12%の成長が見られたと述べていました。
フレキシタリアンが人口の3割を超える英国
英国全体では、代替肉の売り上げが昨年10%近く減少。超加工食品(UPF)に対する懸念が強まる中、豆腐や豆類などのホールフードが選ばれるようになったため、ホールフードのオプションを開発する代替肉メーカーが増加しました。
植物性ミルクも売り上げが2%減少したものの、こちらは依然として3分の1の世帯が購入しています。
植物性食品自体の需要は高く、英国人の9%がヴィーガンやベジタリアンであり、さらにフレキシタリアンが31%に上るとした調査データも存在。半数の人が、肉や乳製品を減らす、あるいは植物性食品を増やすことで食習慣を変えたいと考えています。
Lidlが植物性食品の売り上げを順調に伸ばしている一方、英国最大の小売業者であるTesco(テスコ)は、自社で設定した目標の達成に苦労している様子。
2025年までに代替肉の売り上げを2012年比で300%増加させるとしていましたが、最新のサステナビリティレポートで「植物性食品に関心のある顧客の多くは、代替肉製品に頼る代わりに、野菜が主役の料理に注目している」とし、この目標を達成できそうにないと報告しています。
参考記事:
Lidl own-label plant-based and milk alternatives rocket 700% | The Grocer
Lidl GB Surpasses Plant-Based Sales Target, Achieving Growth of Almost 700% Since 2020
With 700% Rise, Lidl GB Exceeds Plant-Based Meat & Dairy Sales Target
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