スウェーデンのRe:meat、スカンジナビア初の培養肉工場を立ち上げる契約を締結

培養肉技術を開発するスウェーデンのスタートアップ企業Re:meatが、イノベーションハブBiotech Heightsとの提携によりパイロット施設「Re:meatery」を設立する計画を発表しました。

食品グレードのバイオリアクターで低コスト化


Biotech Heightsは、ルンド大学、包装資材大手のテトラパック、スウェーデン政府イノベーション庁Vinnovaの共同で設立され、バイオテクノロジーを活用して食品や食品材料の変革を支援することを目指す機関。

ルンド大学の化学教育研究センターKemicentrum内に位置し、同大学が運営するプレパイロットプラント(LUPPP)に隣接しています。

Re:meatは、スタートアップ企業としては初めて、Biotech Heightsのメンバーに加わりました。同社は特許技術により、培養肉や精密発酵の生産に係るハードウェアコストを劇的に削減する可能性を秘めていると主張。

これにより細胞培養食品やその他のバイオプロセスの規模拡大が促進され、従来の医薬品グレードの設備に比べて大幅な低コストで、食品グレードの設備を提供できる見込みです。

Biotech Heightsの代表を務めるEmma Nordellは、「発酵技術の開発を推進し、バイオプロセス技術を新たな産業に応用するには、協業が不可欠だ。Re:meatは、学術界、スタートアップ、産業プレーヤー間の協業の道を開く、当施設で初のスタートアップとなるだろう」とコメントしています。

年内に設置完了、来年から検証を予定


2023年にステルスモードから脱却したRe:meatは、細胞培養によるスウェーデン風ミートボールを発表。一般向けの試食イベントでは「圧倒的な好評」を得て、スウェーデンの大手食料品チェーンICAとも提携するまでに至りました。

今年3月には、応募超過となった資金調達ラウンドで100万ユーロ(約1億7,300万円)の確保に成功。この資金を「Re:meatery」の設立に充てています。

同社CTO(最高技術責任者)のMarten Schmidtは、「醸造業界での長年の経験と、細胞生物学の研究開発チームとの協力により、哺乳類細胞を培養するための高い基準とパラメータを満たす食品グレードのバイオリアクターを開発できた」とコメント。

「当社の施設の可能性は培養肉にとどまらず、精密発酵などの細菌ベースのプロセスにも適している。Biotech Heights は、学術界と産業界の橋渡しという共通の目標を支援する素晴らしいパートナーだ」と述べています。

パイロット施設「Re:meatery」は、年末までにルンド大学のプレパイロットプラント内に設置され、2026年春にパートナーや顧客と共に検証が行われる予定です。

参考記事:
Remeat bygger pilotanläggning i Lund – ”Visa att det fungerar”
Re:meat Partners With Biotech Heights to Establish Pilot Cellular Agriculture Facility in Sweden
This Startup is Launching Scandinavia’s First Cultivated Meat Factory

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