オランダが食生活ガイドラインの改定を実施、植物性食品を中心とした食習慣への転換を推進する内容に

オランダ保健評議会(HCN)が10年ぶりとなる食生活ガイドラインの改定を行いました。栄養面と環境面での利点から、動物性食品の摂取を減らし植物性食品を豊富に含む食生活への移行を促しています。

豆類とナッツの摂取量増加に重点を置く


新たなガイドラインは、食事中のタンパク質の60%を植物性食品から摂取すべきと規定しています(現状では40%)。具体的には、週に250gの豆類と、毎日15~30gの無塩ナッツを取るよう推奨。加工肉は極力控え、赤肉は週に200gに制限すべきとされました。

赤肉の200gは、EAT-Lancetの「Planetary Health Diet(プラネタリーヘルスダイエット)」における推奨量の2倍に上るものの、同国の現状摂取量(週に475g超)と比べると大幅に少ない量。その逆に豆類の250gは、現在の消費習慣から5倍近くの増加となる量です。

改定に携わった科学委員会は、多様な栄養素を確保するためさまざまな豆類を食べるべきと結論しました。オランダでは男性で豆類摂取量が多い(週に71g)傾向があり、女性の2倍(同35g)。一人あたりの平均消費量は、2012〜16年の週35gから、2019〜21年には52.5gに増加しています。

植物由来の代替肉・乳製品についても言及されていますが、摂取量に関する具体的な規定はありません。ガイドラインはこれらの製品を健康的な食事に組み込めるとしながらも、どの程度組み込むかは食事全体の構成次第と記載。

穀物製品、野菜、果物に関する推奨事項は現時点で更新されておらず、今後のレポートで追って発表される予定です。この部分に関してだけ引き続き適用されている2015年版のガイドラインでは、1日あたり野菜と果物を各200g以上、全粒穀物製品90g以上の摂取を推奨しています。

また、バターやハードマーガリンの代わりに、ソフトマーガリンや植物油を選んだ方が良く、糖分を含む飲料、塩分、アルコールは最小限に抑える必要があるといいます。

各国で相次ぐ「植物ベース」食への移行勧告


ここ2、3年の間に、欧州諸国が軒並み食生活ガイドラインを更新し、主に植物ベースの食事を推奨する内容にアップデートを図っています。

ドイツは少なくとも75%を植物性食品とするよう勧告し、フィンランドは肉を減らすことにより不足しやすい栄養素を十分に摂取するため、強化食品やサプリメントの活用を提案していました。

その他、オーストリア、ノルウェー、ベルギーが同様の内容でガイドラインの改定を行っています。

オランダの推奨内容は、2023年に発表されたHCNの提言書「Healthy Protein Transition」に沿ったもの。ここでは、植物ベースの食事への移行は、冠動脈疾患や2型糖尿病、がんなどの慢性疾患リスクを低減すると同時に、温室効果ガス排出量と生物多様性の喪失を抑えられると報告されています。

補足資料によると、オランダ国民のうち代替肉・乳製品を消費する習慣のあるのは半数未満。ただし、2010年以降は平均消費量と頻度がいずれも増加しており、昨年には従来の食肉の摂取量が過去最低水準に落ち込みました。

畜産農家の事業転換に補助金を出すといった政府施策、LidlAlbert Heijnといった小売業者の高い目標設定などにより、欧州の代替プロテイン界をリードする存在となっています。

参考記事:
Advies Richtlijnen goede voeding: eiwitbronnen en voedingspatronen 2025 | Gezondheidsraad
New Dutch Dietary Guidelines Recommend Consuming More Legumes & Less Meat
Less Beef, More Beans: Dutch Dietary Guidelines Champion Shift to Plant-Based Eating
Voedingscentrum past Schijf van Vijf aan

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