Zymofixがベルギーに約10.6億円の工場建設を発表、固体発酵の産業規模への拡大を狙う

ベルギーのバイオマス発酵企業Zymofix(旧称:N-Fix)が、顧客からの需要がパイロットスケールの生産能力を上回ったことを受け、同国西部のオースト=フランデレン州に初の産業規模の生産拠点を開設すると発表しました。
2027年に300トンでの稼働開始を予定
総額600万ユーロ(約10億6,000万円)を投じるこの施設は、欧州のベンチャーキャピタルFirst Imagine!が主導したシリーズAラウンドの資金と、既存顧客から得られた収益を原資として建設されます。
今回のラウンドには、2024年に行われたシードラウンドからの投資家であるVP Capital、HTGF、The Nest Family Officeも参加しました。Zymofixは今年、有望なスタートアップ企業を支援するEIT Foodの「RisingFoodStars」プログラムの2026年選出企業にも名を連ねています。
共同創業者でCEOのEmile Redantは、「有望な微生物を見つけることは課題の一部に過ぎず、より困難なのは、市場が求める規模で、安定して効率良くそれを作り出すことだ。固体発酵は大きな可能性を秘めているものの、これまでスケールアップは困難とされてきた。当社はこの問題を解決するべく、過去4年間にわたって独自プラットフォームの開発に取り組んでおり、パイロットスケールでの実証に成功した今、新施設で次なる産業規模生産のステップに進むことができる」とコメントしました。
Zymofixは今後数カ月かけて新しい事業拠点に移転し、2027年第4四半期に生産を開始する予定。最初のラインの年間生産能力は300トンで、同社によれば、これは約100万ヘクタールの農地を用いて得られる以上の量です。
最初のラインの稼働が順調に進んだ場合、2028年には予算2,500万ユーロ(約44億3,000万円)の第2フェーズを計画。実現すれば生産能力は年間2,000トンに引き上げられ、農地約1,000万ヘクタール分の生産が可能になります。
固体発酵を行う独自プラットフォーム
2022年に設立されたZymofixは、自社で菌株の開発は行っていません。同社は15社以上の顧客(多くは多国籍の農業資材メーカー)向けに微生物を生産し、プロセス開発、発酵、配合、スケールアップといった工程で顧客を支援しています。
現在の事業領域は、バイオスティミュラント(生物刺激剤)、バイオ肥料、生物的防除資材に及んでおり、今後はバイオレメディエーション(生物学的環境修復)やその他の産業用途への展開も進めていく予定です。
同社の「Zyft」プラットフォームは、固体基質上で生きた微生物を培養するもので、従来の液体発酵法では十分な成果が得られない菌株に適した設計となっています。これまでに、細菌、糸状菌、酵母など170種類以上の菌株がこのプラットフォームで試験されてきました。
First Imagine!のパートナー、Boris Dorinは「微生物由来の製品が市場に届くためには、信頼性が高く、かつ市場に受け入れられる価格で産業規模の生産を行う必要があるが、欧州においてまさに手薄なのが、この生産の領域だ」と指摘。
「Zymofixは、その最も困難な課題を解決した。同社は、固体発酵という手法を単なる実験室レベルの技術から、産業界の顧客がすでに頼りにしている実証済みのプラットフォームへと進化させている。こうした基盤を構築することこそ当社の使命であり、最初の工場が稼働した後も引き続き支援を行っていきたい」と語っています。
参考記事:
Zymofix Takes Solid-State Fermentation to Industrial Scale
First Imagine! invests in Zymofix as it builds its first industrial microbial manufacturing plant – First Imagine!
Zymofix Moves Solid-State Fermentation to Industrial Scale With €6M Belgian Plant
Zymofix raises €6 million to scale microbial manufacturing for agriculture – Fertilizer Daily


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