ボッテガ・ヴェネタが菌糸体素材「Ephea」をコレクションに採用し、スモールグッズの展開をスタート

イタリアを代表するラグジュアリーブランドのボッテガ・ヴェネタが、2026-27年秋冬メンズコレクションに菌糸体由来の素材「Ephea」を採用しました。
開発元のバイオマテリアル企業SQIMは、新素材の「Ephea Uma」を発表しており、さらなる提携を通じて大規模な展開を狙います。
既存の素材の代替ではなく、全く新しいカテゴリーに位置付け

ボッテガ・ヴェネタはこのたび、クリエイティブ・ディレクターのルイーズ・トロッターが手掛けた2026-27年秋冬メンズコレクションの一部として、菌糸体素材を使用したスモールグッズの展開を開始。東京を含む世界16店舗および公式サイトで販売します。
この素材は、菌類が持つ根のような構造の菌糸体から、環境負荷の低い技術によって作られるもの。開発元のSQIMは、これをレザーをはじめとした既存の素材の代替品ではなく、全く新しいカテゴリーとして位置付けています。
2015年にイタリアで設立されたSQIMは、2024年初頭にKering Ventures、CDP Venture Capital、欧州循環型バイオエコノミーファンド(ECBF)の支援を受け、シリーズAラウンドで1,100万ユーロ(約20億4,000万円)を調達しました。
現在は、ファッションおよびアクセサリー向けの「Ephea」と、インテリアデザインおよび建築向けの「Mogu」という2つの素材ブランドを展開しています。
同社は先日、新素材の「Ephea Uma」を発表したところ。この素材は以前、バレンシアガの2022年冬コレクションで制作されたコートに採用され、高級ファッション市場に参入していました。
共同創業者の一人Maurizio Montaltiは、「美学と倫理、そして性能が融合したところに、新たなパラダイムが生まれる。当社が創造しているのは、卓越性を制限するのではなく拡大し、人々と地球の両方にインスピレーションを与え、高め、尊重する素材だ」と話しています。
生分解性などの観点から注目される菌糸体素材
菌糸体ベースの素材は近年、業界で大きな注目を集めているものの、大規模な商業化はいまだ困難な状況です。
製品開発でエルメスやゼネラルモーターズと協業してきた米国のスタートアップ企業MycoWorksは、2023年にサウスカロライナ州に大規模な生産施設を開設しましたが、技術をスケールアップさせる過程で課題に直面し、昨年末に閉鎖。
DFX Corpからの買収提案を受け入れ、事業の軸足を菌糸体培養から下流の加工工程へと移しました。
同じく米国のEcovativeは、子会社のMyForest Foodsを通じた菌糸体ベーコンの販売により収益を得ながら、Ecco Leatherなどと提携して、包装やファッション分野におけるキノコ由来素材の開発に取り組んでいます。
シンガーソングライターのビリー・アイリッシュとコラボするGOBが開発した、使い捨てのイヤープラグ(耳栓)「DFC-001」にも使用されました。
オランダ企業のLoop Biotechは、自然に生分解されて環境負荷を低減できる菌糸体製の棺を開発し、北米で実用化に成功しています。
参考記事:
Ephea Uma: the Material of the Future, Now Present – Ephea
PRESS REVIEW — May 2026, Around a Global Launch – Ephea
Mycelium Moves Into Luxury Accessories as SQIM Launches Ephea Uma


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