C16 Biosciencesが開発した酵母由来のパーム油代替品、Tower 28 Beautyのヴィーガンコスメに採用

カリフォルニア発のブランドTower 28 Beautyが、C16 Biosciencesが開発した酵母由来のパーム油代替品「Palmless Torula Oil」を配合したリップジェルを発売しました。

化学的にも機能的にも同一の代替パーム油


ヴィーガン向け美容製品を手掛けるTower 28 Beautyは、ニューヨークを拠点とするバイオテクノロジー企業C16 Biosciencesとの新たなコラボレーションにより、「ShineOn Plumping Lip Jelly」を発表。

美容・化粧品業界で広く使われている有害な油脂に代わる、森林破壊を伴わないソリューションとして開発された、C16 Biosciencesの「Palmless Torula Oil」を用いた初のカラーコスメ製品です。

血行を促進する植物由来のエキス「VibePlump」と、ヒアルロン酸の生成を自然に促すペプチド「Volulip」を配合したこのヴィーガンリップジェルは、光沢が強くべたつきのないのが特徴。

化学的にも機能的にもほぼ同一の代替パーム油原料「Palmless Torula Oil」をアルニカ(キク科の多年草)と組み合わせることで、唇の潤いを保ち、刺激を防ぎます。

「Tower 28 Beautyとのコラボでは、次世代のバイオテクノロジー成分を現代の美容製品の配合に取り入れ、高性能な輝きと保湿効果をバイオデザインの革新と融合させた」とC16 Biosciencesは述べています。

広がる森林破壊防止の波


パーム油はスーパーマーケットで売られるあらゆるカテゴリーの商品の約半数に含まれ、世界中で生産される油脂の40%を占めています。しかし問題となっているのが、原産地で熱帯林破壊の主な原因となっていること。

欧州連合(EU)では、輸入されるパーム油の34%は森林破壊の犠牲となった土地から来ている可能性があると見積もられ、今年12月に施行予定の森林破壊防止規則(EUDR*)では、そのような製品の輸入が禁止されます。英国にも同様の法律があり、米国でも先日、同じ趣旨の法案が提出されました。

C16 Biosciencesが精密発酵により生産する油脂は、土地利用効率を250倍向上させ、100%トレーサブルで安定性の高い供給を実現可能。同社は週に数トンの工業規模で、この原料を生産しています。

これまでに3,400万ドル(約54億1,000万円)の資金を確保しており、ビル・ゲイツの財団やBreakthrough Energy Venturesからも投資を受けてきました。

「Palmless Torula Oil」は米国農務省(USDA)の「BioPreferred」認証を受け、Palmlessブランドの「Save the F#$%ing Rainforest Nourishing Oil」や、PANGAIAとHaeckelsが共同開発した固形石鹸の主成分に採用されています(いずれも限定発売で、24時間以内に完売)。

* 欧州森林破壊防止規則(EU Deforestation Regulation):2023年6月29日発効。大豆、牛肉、カカオ、コーヒー、パーム油、ゴム、木材の7品目およびそれらの関連製品を対象に、生産において森林伐採・破壊が行われていないことを証明できない限り、EU域内への輸入が禁止される。当初は2024年に施行が予定されていたが、2年延期され、大企業は2026年12月30日、中小企業は2027年6月30日より適用開始となった。違反者には売上高の最大4%の罰金が科せられる。

参考記事:
C16 Biosciences | LinkedIn
Are Lab-Grown Fats the Future of Lipstick? This Palm Oil Alternative Makes the Case
Tower 28’s New Lip Plumper Is All About Good Vibrations

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