フィンランド企業KÄÄPÄ Biotechが、超音波支援抽出法を用いたキノコエキスパウダーのEU認可を取得

機能性キノコ製品の研究・開発を行うフィンランドのバイオテクノロジー企業KÄÄPÄ Biotechが、独自の抽出法「NordRelease」を用いて抽出したキノコエキスパウダーについて、欧州食品安全機関(EFSA)の正式な認可を受けたと発表しました。

水抽出より優れた収量を得られる新技術


この決定により、KÄÄPÄ Biotech独自の抽出プロセスを用いて製造されたエキスはEU食品法上の「新規食品(Novel Food)」には当たらないものとされ、EU全域でより広範な商業利用への道が開かれました。

機能性キノコエキスに関しては従来、EUで認可を受けたのは水抽出法によるものに限られていましたが、「NordRelease」は唯一、水抽出ではないプロセスとして公式に認められています。

この独自手法は周波数の高い音波で細胞構造を破壊する超音波支援抽出法(UAE)を用いており、KÄÄPÄ Biotechによると、従来の技術と比べキノコから得られる生物活性化合物の収量の点で優れているとのこと。

共同創業者でCEOのEric Puroは、「機能性キノコ市場は驚異的なスピードで成長を続けており、180社を超える顧客が、最高品質の製品を約束する当社の技術に信頼を寄せている。キノコエキスパウダーに対する非新規食品原料のステータスは、この分野における過去数十年で最大のイノベーションを意味するものだ」と語っています。

食品安全に関する国際規格にも適合


フィンランド南部に本社を置くKÄÄPÄ Biotechは、2018年の設立以来、細分化され一貫性のない市場と自社の品質基準とを差別化するべく、「NordRelease」の開発と改良に数年を費やしてきました。

2023年にはFSSC22000認証*取得し、食品製造のサプライチェーン全体で一貫した品質保証体制を構築。昨年には、同国南西部のパイミオに最新鋭の栽培施設を開設し、サプライチェーンのインフラをさらに強化しています。

先月にはさらなる生産拡大に向け、エドモン・ドゥ・ロスチャイルドグループ傘下でアグリ・フード部門が専門のVCファンドPeakBridgeから、90万ユーロ(約1億4,600億円)の戦略的投資を受けました。

* 「Food Safety System Certification 22000」の略で、食品安全マネジメントシステムに関する国際規格

参考記事:
EFSA approves alternative mushroom extract process
KÄÄPÄ Biotech gains EU approval for NordRelease mushroom extracts | PPTI News

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