Aleph Farmsが受託製造業者のCell AgriTechと提携、シンガポールに現地法人の設立でアジア太平洋地域の拠点に

イスラエルの培養肉スタートアップAleph Farmsが、マレーシアのCell AgriTechとの提携を発表。アジア太平洋地域における事業拡大の拠点として、シンガポールに現地法人を設立しました。
既存の牛肉サプライチェーンに培養肉を組み込み
Aleph Farmsは今回の提携を、以前から推進している「アセットライト戦略」の一環と説明。大型施設を保有せずに資産を軽量化し、代わりに地域ごとの強力なパートナーシップを通じた展開を意図しています。
同社はアジア太平洋地域への関与を深めており、シンガポール食品庁(SFA)の認可判断を待っている最中。このたび現地法人を設立して、事業運営とパートナーシップ構築、将来の商業化を支援する体制を整えました。
共同創業者でCEOのDidier Toubiaは、「シンガポールは国家として食料安全保障を重視し、食品イノベーションにおける官民の深い連携に支えられ、生産・イノベーション・研究開発のハブとして当社のアジア戦略の中核であり続けている」とコメントしています。
また、シンガポールとマレーシアが、アジア太平洋地域の牛肉サプライチェーンにおける輸入・流通拠点となっていることにも言及。培養肉を既存の現地サプライチェーンに組み込むことで、従来の食肉に代わる実用的な代替品として位置付ける狙いです。
戦略的パートナーとして、Cell AgriTechはパイロットスケールおよびスケールアップのためのインフラ、技術面での専門知識、規制対応済み施設へのアクセスを提供。
これによりAleph Farmsは、多大な資金を要する工場を新たに建設する必要なく、製品のローカライズ、プロセス開発、地域展開の準備を進められます。
2027年までにレストランでの展開を目指す
Aleph Farmsの現在の生産体制としては、イスラエルのレホヴォトに年間10トンの培養ステーキを生産できる工場を運営。タイではバイオテクノロジー企業BBGIおよびFermbox Bioと共同で工場建設を計画中で、さらには欧州向けの生産拠点を確保するべくスイスのThe Cultured Hubとも提携に至りました。
過去には、2023年にシンガポールの受託製造業者Esco Asterの施設を活用する覚書を締結していましたが、現在同社との協業は行っていません。
「Esco Asterとの提携はシンガポールにおける初期の取り組みの一環だったが、現段階ではCell AgriTechとの協働で生産能力を構築すると決定した。Esco Asterも現地のエコシステムにおける重要なプレイヤーで、将来的に特定のプロジェクトで協力する可能性はある」とToubiaは説明しています。
Aleph Farmsの主力製品は「Petit Steak」で、遺伝子組み換えや不死化処理を施していない高級ブラックアンガス牛の細胞と、大豆と小麦から作られた植物性タンパク質マトリックスを組み合わせたハイブリッド製品。
約2年前に本国イスラエルでの規制認可を取得し、販売が可能となっているほか、英国、スイス、タイ、シンガポールでも認可待ちの状態です。培養肉を初めて承認した国であるシンガポールは、その後3件の認可を出しており、今後もさらなる進展が見込まれます。
また、欧州連合(EU)とアラブ主張国連邦(UAE)でも認可取得を目指すとともに、2027年までにイスラエルとシンガポールのレストランでパートナーを見つけ、製品展開を計画しています。


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