英Fermtechが約5.4億円の資金を調達、廃棄されるカカオハスクを発酵させて環境に優しい代替カカオを開発

英国のフードテック企業Fermtechが、カカオハスク(カカオ豆の外皮)の発酵で作られる環境に優しい食品原料「Koji Cocoa」の生産規模拡大に向けて、250万ポンド(約5億3,500万円)の資金調達に成功しました。
廃棄部分を発酵させて風味を引き出す
オックスフォードに拠点を置くFermtechは、CEOのAndy Claytonによって2022年に設立された企業です。
大手チョコレートメーカーも積極的な投資を行っている植物由来の原料を使った代替品や、細胞培養カカオなどとは異なり、原料そのものに直接アプローチする戦略を採用。ココアパウダーの製造に伴う副産物として通常廃棄されている原料を発酵させることで、より安価で排出量のはるかに少ないカカオ代替品を開発しました。
今回の調達ラウンドは、単独で200万ポンドを投資したElbow Beachがリードインベスターとなり、Carbon 13とEmpirical Venturesも参加しました。
同社はこの資金を用いて、英国内外で「Koji Cocoa」の規模拡大と商業化を進め、気候変動により世界のチョコレート業界が直面している困難な状況の緩和を目指します。
「食品におけるイノベーションとは、美味しく栄養価の高い製品を手頃な価格で生産することであるべきだ。当社は創業当初から、生物の力を活用して風味と栄養価を引き出し、作物の価値を高められるよう尽力してきた」とClaytonは語っています。
コストと排出量を大幅に削減
カカオの実は、世界で最も有効活用がなされていない果物の一つ。ココアとチョコレートの生産過程で、外皮、殻、果肉など、推定70%が廃棄されているといいます。
これらの副産物を利用できれば、生産量を増やして農家に新たな収入源をもたらし、荒廃した景観を再生しながら、全体的な排出量を98%削減することが可能。
さらに、カカオは強い抗酸化作用を持つフラボノイドを含んだスーパーフードであり、血圧の調節や血栓の予防、脳と心臓への血流促進といった効果があるため、廃棄となっている部分を活用する取り組みは、より健康的な食生活にも貢献すると期待されます。
Fermtechは、麹菌を用いる固体発酵プロセスにより、カカオハスク(殻の部分)をココアパウダーの代替品に加工。「Koji Cocoa」は、従来のカカオが持つ自然な風味、色、食感を保ちながら、消化しにくい成分を栄養価の高い柔らかな原料に分解したクリーンラベル製品と紹介されています。
メーカーは、ブラウニーやクッキーから、フィリング、ガナッシュ、チョコレートバーまで幅広い用途でカカオを置き換えて、コストを25~33%削減できるとのこと。業界を揺るがしてきた気候変動の影響を受けにくい代替原料の、安定した供給源となります。
参考記事:
Fermtech raises £2.5m for ‘pioneering’ cocoa alternative | The Grocer
UK Startup Fermtech Gets $3.3M to Make Climate-Friendly Cocoa Alternative from Waste & Fungi
Fermtech nets £2.5M to scale cocoa shell ingredient for chocolate and bakery cost savings


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