オランダのNew Dawn Bioが、森林破壊を食い止める木材の培養生産のため約3.9億円を獲得

オランダのディープテック・スタートアップNew Dawn Bioが、森林破壊を伴わずに木材を生産する細胞培養技術の開発に向けて、プレシードラウンドで210万ユーロ(約3億8,900万円)の資金調達を行いました。

あらかじめ成形済みの木材を育てる新技術


すでに一部の国では市場化も進んでいる培養タンパク質や培養脂肪に比べて、同じ細胞培養技術を用いた代替素材の生産は、当初の見立てより遅れている印象。培養レザーコットンを開発する企業がありますが、全体としてはまだ黎明期の分野です。

そんな中、オランダに拠点を置くNew Dawn Bioは、樹木の細胞を用いてバイオリアクター内で木材を生産する技術で、投資家の注目を集めています。

応募額が募集額を上回る形で終了した同社のプレシードラウンドは、CapitalTが主導し、Norrsken Evolve、Ontdekkers Group、そしてJelle Prinsを含むエンジェル投資家グループが参加しました。

2024年にKianti Figler(COO)と同社を共同創業したCEOのTom Clementは、「木材は何千年もの間、人類にとって至高の存在だったが、私たちはいまだに丸太から長方形の板や梁を切り出す以上の方法を見つけられていない」と指摘。

「当社は史上初めて、あらかじめ成形された状態の高品質の木材を育てることに成功した。今回の資金調達により、この画期的な技術を、実際に産業界で活用できる製品へと発展させられる」と話しています。

わずか数日で成長し、伐採も不要


世界では毎年、約40億立方メートルの木材が、燃料、建築資材、家具、パルプ・紙製品などの用途に使用されています。

しかしながら、森林破壊は生態系と地球の気候システムの安定性を脅かしており、樹種の約30%が絶滅の危機に瀕しているとの指摘も。森林破壊は世界の温室効果ガス排出量の11%を占め、航空業界の排出量の5倍以上に上ります。

New Dawn Bioは、樹木から幹細胞を採取し、樹幹内部で受けるのと同じ生物学的シグナルを与えてバイオリアクターで培養。細胞が分厚く、硬くなるように誘導して、互いに接着させることで、相互に連結した組織を形成します。

切削加工ではなく積層造形技術を用いることで、初めから最終製品の形状に直接成形できるメリットが生まれました。こうして得られる高品質な木材は、数年ではなくわずか数日で成長し、伐採も不要です。

この成形済み木材の生産プロセスは、売上原価を80%削減可能。精密な形状と仕様に合わせて木材を培養すれば、伐採、加工、穴あけ、接着といった工程で発生する廃棄物をなくせます。

世界では毎年530万ヘクタールの熱帯林が失われているといいますが、New Dawn Bioは年間最大2.1ギガトンの直接排出量を削減できるだけでなく、地球上の生物多様性の半分以上を擁する森林の保全にも貢献します。

同種の取り組みとして、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが以前、木材に似た植物材料をラボで生成する技術を発表していました。3Dバイオプリンティング技術を用いて、自然界には存在しない形状やサイズであっても自在に加工することが可能です。

参考記事:
Tom Clement | LinkedIn
Dutch startup New Dawn Bio raises €2.1 million to grow wood from tree stem cells in bioreactors | EU-Startups
New Dawn Bio Nabs $2.4M to Grow Cell-Cultured Wood, Minus the Deforestation
Dutch startup New Dawn Bio raises €2.1M to grow wood in bioreactors: 10,000x faster than a forest — TFN

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