米Ayana Bioが旧Meati Foodsの資産を取得、インドで植物細胞の培養技術拡大へ

植物細胞培養を手掛ける米国のスタートアップ企業Ayana Bioと、インドのZenfold Sustainable Technologies(以下、Zenfold)が、事業を停止した代替プロテイン企業Meati Foodsから設備を共同購入しました。

これにより、両社はわずか75,000ドル(約1,180万円)で30万リットル分の発酵能力を確保することに成功しています。

計30万リットルの発酵タンクを格安で取得


バイオマス発酵分野の有力企業であったMeati Foodsは、コロラド州ソーントンの最先端施設で、菌糸体を用いた代替肉を製造していました。

昨年5月、突然のテクニカルデフォルトに伴う経営難に陥った結果、破産手続きの代替手段である「債権者への任意譲渡(ABC)」プロセスを開始。その後、Yasir Abdul率いるMeati Holdingsに買収されましたが、年末までには従業員の大部分を解雇するに至っています。

物理的資産を売却する目的のオンラインオークションが今年の春に予定され、一部の設備は売却されたものの、中核となる数百万ドル相当の発酵設備(25,000リットル容量の発酵タンク12基および関連設備)は売れ残ったままでした。

Ayana BioのCEOを務めるFrank Jakschは、「植物細胞を培養する施設を自社で運営することはしたくない、という確固たる信念があった。CMO(受託製造機関)で利用可能な標準的な設備に適合させる必要があるためだ」と説明。売れ残っていた資産を活用すべく、1年以上前から協業関係にあったZenfoldと話し合いを始めました。

パイロットスケールから商業生産への橋渡しに


Ayana BioとZenfoldは、コロラド州の施設での操業を継続するのではなく、設備を撤去し、Zenfoldのインド国内の拠点へ輸送することとしました。

2021年に設立されたZenfoldは、ベンガルールに本社を置き、同市およびハイデラバードに製造・研究開発拠点を保有。グリーンケミストリー、バイオトランスフォーメーション、合成生物学の手法を用いた特殊化学品や精密化学品(ファインケミカル)の開発に注力しています。

取得した発酵タンクは、インドにおいて植物細胞関連の開発を行うAyana Bio専用のパイロット施設構築に活用されます。このパイロット施設は、ほかの植物細胞関連企業もアクセスできるよう開放される予定です。

2027年上半期の稼働開始を目指し、当面は植物細胞培養による高付加価値成分の開発に注力。具体的には、セージから抽出するロスマリン酸や、サフランから抽出するクロシン、マリーゴールドから抽出するゼアキサンチンやルテインなどが対象です。

「BHA(ブチルヒドロキシアニソール)などの合成保存料を禁止する米国政府の動きを受けて、天然由来の代替品としてのロスマリン酸に対する商業的な関心が急速に高まっている」とJakschは述べています。

Meati Foodsが多額の投資を行ってきた資産を格安で取得できたことによって、設備投資効率が飛躍的に高まり、パイロットスケールから商業生産に至るまでのスケジュールを加速させる目処が立ちました。

Zenfoldはすでに10万リットルのバイオリアクターを4基保有していますが、Jakschによれば、新製品の開発においては、まず25,000リットルのリアクターでスケールアップを行えるのが極めて重要。「プロセスが確実に上手くいくという確信を得て10万リットル規模の生産へとつなぐ『橋渡し』となる設備があることは、我々にとって非常に有益だ」と語っています。

参考記事:
Ayana Bio | LinkedIn
Exclusive: Ayana Bio acquires Meati Foods assets for a steal to scale plant cell culture tech with Zenfold in India

関連記事

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。