TurtleTreeとStrive Nutrition、精密発酵ラクトフェリンを使用した健康飲料&プロテインパウダーの発売へ向け提携
シンガポールの精密発酵企業TurtleTreeが、世界初のアニマルフリーラクトフェリン「LF+」の商業化において、新規食品の市場投入に積極的な米国の食品・飲料メーカーStrive Nutritionとの新たな提携に至ったと発表しました。
2025年の第1四半期に、米国で健康に焦点を当てた2種類の製品を発売する計画です。
2種類の精密発酵タンパク質を併用
両社は、成人向けの免疫サポート飲料と、スポーツ栄養をターゲットにしたプロテインパウダーを2025年の第1四半期に発売する計画。消費者の83%がセルフケアの一環として機能性飲料を飲んでいるというほど、成長を見せている米国の機能性飲料市場をターゲットに定めています。
TurtleTreeは先月、米国のコーヒーメーカーCadence Cold Brewとの提携により、「Cadence Performance Coffee」ブランドから機能性エスプレッソを発売すると発表したばかり。早くも2例目の商業的パートナーシップを実現させました。
健康面でのメリットを持ったアニマルフリーのヴィーガン認証製品に焦点を当てているStrive Nutritionにとって、精密発酵企業との提携はこれが初めてではなく、2022年にPerfect Dayの乳清タンパク質(β-ラクトグロブリン)を使用した代替ミルク「FREEMILK」を発売しています。
先日、FREEMILKはテニスのマイアミ・オープンで提供され、市場化が進む精密発酵食品の一般への知名度をさらに高めることに成功しました。
Strive Nutritionはこの供給契約を延長し、新製品ではTurtleTreeのラクトフェリンと併せて、Perfect Dayの乳清タンパク質を用いる計画の様子。2社の精密発酵タンパク質が同時に使用された製品が市販されると、業界初の出来事となります。
ラクトフェリンの機能性
免疫サポート飲料に「LF+」を取り入れることで、腸の健康維持や鉄分の調節といったラクトフェリンのユニークな利点を得られることに加え、推奨される1日分のビタミンも提供することが可能になります。
こちらの製品は8オンス入りで、250mgのLF+と12~15gの乳清タンパク質、23種類の必須ビタミンとミネラルが含まれているとのこと。
一方のプロテインパウダーはチョコレートなどのフレーバーで展開される可能性が高く、発酵由来の乳清タンパク質、カカオ、その他のビタミンやミネラルが含まれる予定だといいます。
鉄分不足の改善によりパフォーマンス向上が見込めることから、スポーツ栄養市場に狙いを定めます。
消費者向け製品のリーダー企業を目指す
わずか1kgの精製ラクトフェリンを得るのに少なくとも1万リットルの牛乳が必要というほど入手が困難でコストのかかるウシラクトフェリンは、市場の需要に対する供給不足が目立っているのが現状。
TurtleTreeの技術は、乳幼児、成人、高齢者まで、消費者にとってラクトフェリンをより身近にするソリューションとなり得ます。
昨年11月、LF+は米国食品医薬品局(FDA)のGRASステータスを取得して人体への安全性が確認され、米国での商品化が可能になりました。
乳児用ミルク、植物性乳製品、プロテインパウダー、機能性飲料、スポーツ栄養製品などの栄養強化に活用が見込まれ、同社によるとすでに複数の顧客が、今後5年間で5億ドル(約804億円)相当の購入に関心を示しているとのこと。
共同創業者でCEOのFengru Linは、今後さらにパートナーシップを拡大し、「5年後には、消費者向けの精密発酵食品、フードサービス、ヘルスケア製品業界のリーダー企業になりたい」と語っています。
参考記事:
TurtleTree & Strive to Launch Health-Focused Beverages Powered by Animal-Free Lactoferrin
Strive Nutrition Taps TurtleTree’s Animal-Free Lactoferrin for Immunity Beverage & Protein Powder
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