培養ペットフードの商用化を目指すチェコのBene Meat Technologiesが、最先端の細胞バンクを立ち上げ
チェコの培養肉スタートアップBene Meat Technologiesが、さまざまな食肉を培養する元となる細胞を長期的に供給するための、最先端の細胞バンク立ち上げを発表しました。
5千以上の初代細胞を保管
広範な研究を経て開発されたこの細胞バンクは、研究や生産に十分な量と種類の細胞へのアクセスを可能にするもの。
ごく小さな組織サンプルから採取されたさまざまな動物種の高品質な初代細胞を5千以上保管しており、研究による動物への影響を最小限に抑えます。
この施設は、標準化された手順により純度と安定性を確保した最適な保存環境を実現しており、さらに緊急時でもサンプルが損なわれないような継続性のあるシステムを備えているとのこと。
「従来の肉食に代わる、より健康的・倫理的で、持続可能な選択肢となる革新的なペットフードを提供したい」としています。
培養ペットフードでEU・米国市場を狙う
2020年に設立されたBene Meat Technologiesは、ヒトの食品としての食肉の大規模培養における技術開発を続ける一方で、当初の商用化ターゲットとしてペット向けの培養肉に焦点を当てています。
昨年11月、同社はEUで培養ペットフードを商品化するため、欧州飼料原料登録機関(European Feed Materials Register)への登録を実施。登録自体は誰でも行えるもので、規制当局の認可を示すものではありませんが、これをもってペットフードとして正式に販売が可能となっています。
今年5月にドイツ・ニュルンベルクで開催された「Interzoo 2024」でEU初の培養ペットフードと謳う製品を展示した際には、年内の製品発売を目標に生産スケールアップに取り組んでいると述べていました。
また、米国市場での展開に向けても、米国食品医薬品局(FDA)に安全性評価に関する書類を提出しています。
FDAがペットフード用の培養成分を承認した例はまだありませんが、ペットフードブランド「Noochies!」を展開するカナダ企業のCULT Food Scienceは、培養鶏肉原料の給餌試験に係る手順を確立、8月にFDAへの提出を完了させて規制プロセスの第一歩を踏み出しました。
その後、FDAからの1回目のフィードバックで全体的な試験設計は概ね適切であるとの回答を得ており、試験開始に向けた調整を進めています。
参考記事:
Bene Meat Technologies | LinkedIn
Bene Meat Technologies Unveils “Cutting-Edge” Cell Bank, Seeks FDA Approval for Cultivated Pet Food
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