フィンランドのBioMushが、廃棄食材をうま味調味料へと変える固体発酵ソリューションを披露

フィンランドのフードテック企業BioMushが、食品廃棄物をうま味を持った原料へと変換する固体発酵技術を発表しました。
食品事業者の廃棄物対策を支援しフードロスを削減すると同時に、植物性食品向けのクリーンラベル調味料を創出するイノベーションとなります。
顧客の生産プロセスへ容易に統合
フィンランドの首都ヘルシンキに隣接する都市エスポーで2021年に設立されたBioMushは、世界の食品産業で毎年14%もの量が副産物・廃棄物として無駄になっているという現状に対処するべく、308万ドル(約4億6,100万円)を調達。
今月初めにロンドンで開催されたイベント「Future Food-Tech」にて、デモ生産用のバイオリアクターを披露しました。
CEOのKaisa Karhunenは、「副産物の活用と香料製品の両方にニーズを持った食品メーカーを主なターゲットとしているが、顧客の生産プロセスへの統合が可能なこの種の技術を提供できるのは、知る限りでは当社が最初にして唯一の企業だ」とコメントしています。
BioMushの発酵技術は、生産現場に直接組み込むことができるバイオリアクターを採用しているため、副産物を輸送する必要がありません。
バイオリアクターを生産現場に設置する場合、わずかな設備投資で済み、従来の食品添加物と比較して競争力のある生産コストを実現できるとのこと。最終原料に望ましい風味を付加するなど、顧客のニーズに合わせることも可能です。
もう一つの利点は、酵母エキスやグルタミン酸ナトリウムといった従来のソリューションに依存する必要がなく、クリーンラベル原料を実現できること。添加物の中には科学的根拠のないまま避けられているものも多く、クリーンラベル製品のニーズは近年特に高まりを見せています。
JALとも提携し循環型ソリューションの普及に注力
BioMushは今年、日本航空(JAL)との提携を実施。JALはベジタリアン向けの機内食メニューの原料として、BioMushの製品「大豆を使わないしょうゆ」を3〜8月の期間限定で導入しました。
Fact.MRのレポートによると、世界のアップサイクル原料市場は2022〜32年にかけて年平均成長率6.4%で成長し、評価額は5億1,200万ドル(約766億円)に達すると予測されています。
代替プロテイン業界では食品廃棄物をアップサイクルする試みが増加しており、ビール醸造後に残った酵母を再利用し代替卵を開発するRevyve、果物の種から植物性ミルクを作るKern Tec、廃棄予定の大豆を用いた植物性ツナを発売しているUNLIMEATなど、多数の取り組みが存在。
世界中で生産される食品のかなりの割合が埋立地に廃棄され、大量のメタンを放出しているという事実は、こうした技術開発に拍車をかけています。
参考記事:
BioMush Unveils Plug-and-Play Fermentation Tech to Turn Industry Sidestreams into Umami Ingredients
Food waste-based umami sauce elevates in-flight dining
Global Food Waste in 2024
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