Aleph Farmsがタイで認可申請を実施、2026年に培養牛肉発売を目指す

イスラエルのAleph Farmsが、タイで培養牛肉製品を販売するための規制認可申請を行ったと発表しました。同国で培養肉の認可申請が出されたのは初となります。

2026年半ばにも認可取得の可能性


Aleph Farmsは、タイ食品医薬品局(タイFDA)の新規食品に係るガイドラインに基づき、タイ国立遺伝子生命工学研究センター(BIOTEC)に安全性に関する書類を提出しました。

スケジュールは不確定ですが、新規食品の規制プロセスには通常約18カ月を要するため、可能性としては2026年半ばの認可取得が見込まれます。

Aleph Farmsは、パートナーであり同社への投資も行っている水産大手のThai Unionとともに、タイFDAと緊密に協力し、1年近くかけて準備を進めてきたとのこと。両社は認可を待って、「Aleph Cuts」ブランドから主力商品の「Petit Steak」を発売する予定です。

共同創業者でCEOのDidier Toubiaは、「多くの近隣諸国と同様、タイは牛肉の大半を輸入に頼っている」と述べ、同地域における培養肉の可能性を強調。「豊かな食の伝統と高度な食品生産能力を有し『世界の台所』として名高いタイは、新規食品への移行を成功させるための積極的な態勢を整えている」と語っています。

アジア進出の戦略的拠点に


Aleph Farmsは、今年初めにイスラエルで認可を取得。これはイスラエル初というだけでなく、培養牛肉としても初の事例となりました(その他の認可事例は培養鶏肉のみ)。

その後、レストランチェーン「Miznon」の有名シェフ、Eyal Shaniとの提携により、製品発売に大きく近づいています。

同社はまた、シンガポール、スイス、英国でも認可申請を実施済みであり、米国を含む数カ国で事前協議を進めています。中でもシンガポールでは認可が近いとみられ、アジア進出の足掛かりとする計画でしたが、新規食品と持続可能性を重視した政策を採っているタイにも注目している様子。

拡大戦略の一環として、今年2月にはバイオ製品の製造・販売を手掛けるBBGI、合成生物学分野の研究開発を行うFermbox Bioと提携し、タイで培養肉工場を設立する計画を発表しました。

10月には、シェフと組んだワークショップを開催。「Aleph Cuts」を現地の料理の嗜好に合うように調整し、バンコクで地元の食品業界の専門家を招いて披露しています。

参考記事:
Aleph Farms Submits Thailand’s First Cultivated Meat Application, Eyes 2026 Market Launch
Aleph Farms Files for Regulatory Approval in Thailand, Eyes 2026 Launch of Cultivated Beef

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