The Good Food Instituteが代替プロテイン分野のLCA支援ソフトを開発、企業にデータ共有で協力要請

代替プロテインの普及に向けて活動する非営利団体のThe Good Food Institute(以下、GFI)が、ライフサイクルアセスメント(以下、LCA)を行うソフトの開発にあたり、さまざまな技術を持った同分野の企業に対して協力を求めています。

LCAの実施は資源集約的


業界レベルの研究から、動物性プロテインと比較した代替プロテインの環境面でのメリットの大きさが証明される一方で、代替プロテインに関わる企業にも、製品や企業ごとの正確な環境影響データを開示することが求められるようになっています。

LCAは、製品・サービスの生産が環境に与える影響を定量化し、評価するための最も広く使われているツールであり、そのデータを要求する投資家や消費者も増加。

しかしながら、GFIによると、LCAは確固とした結果を出すことができる反面、資金と時間を要するため、限られた資源しか持たない多くの代替プロテイン企業にとっては、実施が難しいのが現状です。

GFIは、現在市販されているLCA支援ソフトには、いくつかの欠点があるといいます。第一に、サブスクリプションや製品評価費用が高額になること。第二に、ソフトの使用が複雑で、LCAに関する高度な理解が必要なこと。最後に、使用する原料や生産プロセスが新奇なため、既存のソフトでは代替プロテイン製品を正確に評価するための具体的なパラメータが欠けていること。

企業からの提供データを、モデリングソフト開発に反映


こうした問題を解決するべく、GFIは食品セクター向けのプラットフォーム開発などを行うFoodstepsとの提携により、専用のLCAモデリングソフト(無償版・有償版)を開発しました。

無償版では、温室効果ガス排出、水利用、土地利用、淡水の富栄養化、土壌の酸性化などの主要な影響項目を測定する必須機能を提供(評価対象の製品数に上限あり)。有償版ではより包括的な評価が行え、製品影響ラベルの作成も可能です。

これを活用することで、代替プロテイン分野の企業は、さまざまな側面から自社製品の環境影響を測定できるようになります。

ただし、同ソフトの成功は、代替プロテイン生産に特有の原料と生産プロセスに関するデータにアクセスできるかどうかにかかっていることから、GFIが各企業にデータ提供を要請するに至りました。

データ提供において協力した企業には、完成したソフトの早期利用が認められます。さらに、自社ブランドの原料を製品投入の選択肢として追加することなども検討され、ソフトのユーザーに自社製品をアピールできる可能性も。

LCAプロジェクトの概要についてはこちら、参加企業向けのアンケートフォームはこちらから。
連絡窓口:tomc-contractor@gfi.org Tom Chapman (The Good Food Institute)

関連記事

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。