スペインのカルフールが3Dプリントした植物性ベーコンを発売、通常のベーコンと同等価格
今年5月、スペイン企業のFoody’sとCocuusが、3Dプリンティングによる植物性食品の発売に向けた提携を発表。その最初の成果となる100%植物性のベーコンが、今月からスペインのカルフールにデビューしました。
豚2頭分の食肉をわずか5分で生産
植物由来の持続可能な食品とその製造に必要な技術を新たに開発し、大規模生産と販売を進めるべく提携に至った両社。その第一弾として、3Dプリンターを用いて製造したヴィーガンベーコンを、スペイン全土のカルフールで発売しました。
120グラム入りの冷蔵パック商品として販売され、価格は類似品とほぼ同じ。脂肪の含有量も10%未満に抑えており、そのすべてが不飽和脂肪酸の多い植物性脂肪と、健康面に配慮している点も魅力です。一方、通常の豚肉の脂肪は約30%であり、実質的にすべてが飽和脂肪酸となっています。
FoodysのCEOを務めるGonzalo Agorretaは、「この技術は世界でも類を見ないもので、年間1,000トンの100%植物性ベーコンを生産可能。バリューチェーン全体を自国内で完結させることで、従来のベーコンと変わらない価格を実現できた」としています。
CocuusのCEO、Patxi Larumbreは「当社の技術を用いれば、豚2頭が一生かけて得られるものをわずか5分で生産できる。これこそが、世界のタンパク質不足を解決する方法となるだろう」と語っています。
この植物性ベーコンは、新規性、技術的複雑さ、製造・原材料・包装の革新性、顧客体験、財務実績を評価する「V-Label Awards」イノベーション部門のファイナリストにも選出されました。
両社は今後、ベーコンに続けて植物性のフォアグラ、マグロ、エビ、サーモンの開発も進めているとのことです。
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