イスラエルのSimpliiGood、スピルリナ由来のスモークサーモンを来年欧州で発売へ

微細藻類を活用した食品を開発するイスラエルのSimpliiGoodが先月、スピルリナをベースとしたスモークサーモンを2025年初頭に発売すると発表しました。

供給が減少するサーモンの代替品


スピルリナから作られた初のホールカットサーモンは、40%のタンパク質を含有。安定剤や保存料を使用しておらず、家庭にあるような10種類に満たない原材料のみを用いたクリーンラベル製品となっています。

SimpliiGoodの親会社AlgaeCore Technologiesの創業者でCTOを務めるBaruch Dachは、「認知度が他地域に比べて高いとみられる、欧州での発売を予定している」とだけコメント。

この製品は当初、2022年にInternational Flavors & Fragrances(IFF)と共同開発した、スピルリナを95%含んだ製品でした。新たに開発したホールカットサーモンは、「より美味しく本物に近いバージョンであり、実際のスモークサーモンにも引けを取らない」ものだといいます。

同社はスピルリナをベースにした鶏肉も開発していますが、需要の高い鶏肉ではなくサーモンを製品化に選んだ理由としては、「市場価格が高いため価格競争力があり、需要が伸びている一方で供給が減少している」ことを挙げています。

あらゆる動物組織に合わせられるスピルリナ


SimpliiGoodの食感改良プラットフォームは、組織工学を用いて、微細藻類の細胞で筋繊維を模したフィラメントを形成。その後、混合やプレスといった簡単な機械的工程を経ることで、鶏肉やサーモンのような外観を作り出します。

また、スピルリナ固有のβ-カロテンとゼアキサンチンを分離することで、サーモンの鮮やかなオレンジ色を再現しています。

CTOのDachによると、「スピルリナは本来肉や魚に非常に近いので微調整が容易で、ほとんどあらゆる種類の動物組織に合わせることができる」とのこと。

さらに、保水性が非常に優れているため、最終製品が熱や冷凍・解凍、圧力、pHの変化に強いという利点もあります。

同社は、イスラエル国内の温室池でスピルリナの栽培から行い、収穫・加工したものを冷凍製品として販売。

最近米国でも発売され、当初はオンラインと健康食品を扱う専門店で展開されています。今後は米国内のパートナー企業と協力して、健康を意識したスナックや冷凍食品などを投入する計画です。

参考記事:
SimpliiGood’s Much-Awaited Spirulina Smoked Salmon to Launch in Europe Next Year
SimpliiGood Unveils Spirulina-Derived Filaments to Mimic the Texture of Meat and Fish

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