タイのSangtuptim INTERが、ココナッツウォーターを原料に用いた植物性ポークを開発

タイ政府の支援を受けてココナッツベースの製品を製造するSangtuptim INTERが、ココナッツウォーター(熟していないココナッツの内側にある透明な液体)を原料に用いた植物性代替肉を開発しました。

地元産ココナッツを活用した「新しい食」


タイ工業省産業振興局(DIPROM)は今年1月、経済の変化に対応し、国の経済回廊を再構築し、投資を通じて機会へのアクセスを増やすという観点から「RESHAPE THE FUTURE」と題した政策を発表。

2024年度は18,000人を超える起業家に支援を提供し、100億バーツ(約437億円)超の経済的付加価値を創出することを目標としています。

ココナッツ製品に特化し、米国、ドイツ、ニュージーランド、カナダ、ノルウェーでも製品を販売しているSangtuptim INTERは、中小企業の育成を目的としたプログラムに参加し、手始めにココナッツゼリーを開発。

その後、ココナッツウォーターを原料に脂肪や糖を含まない麺製品を作り出し、さらなる革新を遂げました。

最新の開発事例となる植物性の豚肉は、ココナッツウォーターとエリンギをブレンドしたもので、同社はこの製品に係る特許を取得。プロトタイプは、ロンドンで開催された「International Invention & Trade Expo 2022」で金賞にも輝いています。

タイでも植物性食品の需要は増加中


世界第10位のココナッツ生産国であるタイは、より健康的な製品を求める消費者が増加し、代替プロテイン業界が急成長を見せている国でもあります。

Sangtuptim INTERの代表を務めるOrasa Sangtuptimによると、植物性食品はタイで人気を増しており、中でも食品の安全性、調達、環境への影響が考慮されているとのこと。

同国の植物性食品セクターは過去5年間で61%の成長を記録し、2024年には450億バーツ(約1,970億円)の規模に達すると予測されていますが、普及に向けては課題も残されています。

タイ保健省食品医薬品局(タイFDA)は6月、植物性食品に対して、肉や乳製品関連の用語(チキンナゲット、アーモンドミルク、クリーンミートなど)を使用することを禁止する表示規制案を発表しました。

その一方で、タイ商務省貿易政策・戦略事務局(TPSO)が、タイを植物性食品市場の世界的なハブにするための政策ロードマップを策定するという真逆の動きも。植物性食品の急速な消費拡大を受け、法規制の見直しも含めた施策を打ち出しています。

参考記事:
Thai Startup Creates Plant-Based Pork from Local Coconut Water
ดีพร้อม โชว์ “แสงทับทิม” ต้นแบบ Success Case Reshape ธุรกิจเปลี่ยน “น้ำมะพร้าว” เป็น “หมูสับเทียม” – motoroops.com

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