オランダの代替肉メーカーSchouten Europe、新しい繊維技術を用いた植物性チキンを発表
オランダで初めて代替肉を開発し、数十年にわたって市場をリードしてきたSchouten Europeが、「NewTextures」と呼ばれる新しい繊維技術を用いた植物性チキンシュニッツェルを発表しました。外食産業の顧客向けに販売を開始しています。
繊維を使った技術で代替肉を革新
1990年創業のSchouten Europeが長年の研究開発を経て生み出した新技術は、従来の植物性タンパク質を繊維で置き換えるもの。製品の食感と魅力を高めるこの繊維により、本物の肉の食体験に近づけられるといいます。
植物性チキンシュニッツェルは、原材料に小麦や大豆のタンパク質、竹繊維、菜種油やヒマワリ油を使用。
100gあたり12gのタンパク質、5g近くの食物繊維を含み、飽和脂肪酸の含有はわずか1.2g。ジューシーな食感と鶏肉特有の白い色をしています。
同社CEOのNiek-Jan Schoutenによると、通常の代替肉は調理法を誤ると少しパサパサしてしまう場合があるとのこと。新製品はジューシーさを保つことができ、「カテゴリー全体を新たなレベルへと押し上げるもの」だと述べています。
従来の代替肉製造において食感を形成する工程は、大量のエネルギーを消費する上、外国に移管されていることも多いのが現状。「NewTextures」テクノロジーは、この工程を省くことを可能にし、製品の環境負荷低減に大きく貢献します。
繊維を使った技術革新で代替肉の進化を目指すその他の企業としては、紡糸技術を用いるドイツのProject Eadenや米国のTender Foodが挙げられます。
シーフードやマイコプロテインのカテゴリーにも進出
Schouten Europeは製品ポートフォリオとして、従来の食肉を模倣した「Classics」シリーズと、食肉の模倣を目的としていない「Variations」シリーズを展開。多様な消費者の嗜好に合わせるためには、両方のカテゴリーが必要としています。
主にプライベートブランドで50カ国以上に製品を供給し、顧客の要望に応じて製品のカスタマイズも行っています。
同社は2021年初頭に、ヴィーガンマグロ製品で代替シーフードに初進出。今年3月には同様に環境フットプリントと加工工程を削減する施策として、マイコプロテインベースの製品を発表しました。
これに続く形で、世界最大規模の植物性代替肉メーカーBeyond Meatも、クリーンラベルの菌糸体ステーキを近々発売すると報道されています。
参考記事:
Schouten Europe Debuts New Fiber Technology Replacing Texturates in Plant-Based Chicken Schnitzel
NewTexture: Schouten Creates ‘Replacement for Textured Proteins’ with Novel Fibre Technology
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