Hydefyが開発した菌類由来の代替レザー、ステラ・マッカートニーの新作ハンドバッグでデビュー

米国のスタートアップ企業Hydefyが開発した菌類ベースのテキスタイルが、ハイブランドのデザイナー、ステラ・マッカートニーとのコラボレーションを通じてファッション業界に登場しました。
このパートナーシップにより、従来の動物由来のレザーや合成皮革に代わる、耐久性と美しさを兼ね備えた持続可能な代替レザーの市場投入を進めます。
菌類の発酵で得られる汎用性の高い代替レザー
Hydefyは、米航空宇宙局(NASA)の支援を受けてイエローストーン国立公園で行われた研究で発見された、間欠泉に生息する極限環境微生物(Fusarium strain flavolapis)を生産に活用。
菌類にサトウキビの廃棄物を栄養として与える発酵プロセスにより、ファッション、自動車、インテリア業界など多用途の使用に適し、カスタマイズや迅速な試作品開発が可能なヴィーガン素材が得られます。
この素材は現在、商用利用が可能な体制に入っているとのことで、同社では将来のパートナー候補を広く募集しています。
同社の親会社であるThe Fynder Groupは、「Nature’s Fynd」の名前で、数年前からこの菌類ベースの素材「Fy Protein」を食品業界向けに展開。
同じ技術を応用して代替肉やヨーグルト、クリームチーズなどを開発し、米国やカナダで販売認可を得て、大手スーパーWhole Foods Marketなどで販売しています。
ヴィーガン製品を追求するハイブランド

生涯を通してベジタリアンだというステラ・マッカートニーは、レザーやファー、シルクを使わないアニマルフリーのファッションを長年提唱してきており、植物や菌類をベースにした再生可能な代替品を探求。自身の哲学に調和する素材として、Hydefyの製品に目をつけました。
この新素材を用いたハンドバッグ「Stella Ryder」は、馬の背からインスパイアされた彫刻のようなシルエットと、未来的なシルバーカラーのメタリック仕上げのアイテム。
これまでで最も先進的なヴィーガンバッグとして、2025春夏コレクションのショーで披露され、ブランドのウェブサイトで販売中です。
Nature’s Fyndの共同創業者でCEOを務めるThomas Jonasは、今回のコラボレーションは、資源集約的な素材や環境に有害な素材に頼ることなく、イノベーションによっていかにファッション界で求められる基準を満たせるかを示す一例だと強調。
「Hydefyは単なる代替品ではなく、高機能繊維の未来といえる。革新的な素材が耐久性、品質、美観の最も高い基準を満たすことができると証明するものだ」と語っています。
参考記事:
Hydefy Ushers in a New Era of Fungi-Based Textiles with
Hydefy Introduces Fungi-Based Leather Alternative with Stella McCartney’s New Handbag
Hydefy Debuts World’s First Luxury Fungi Textile with Stella McCartney – VEGWORLD Magazine
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