ヴィーガン食品に動物性タンパク質の風味を付与する新技術、長谷川香料の米国子会社が開発

香料メーカーのT. Hasegawa USA(長谷川香料の米国子会社)が、動物性タンパク質の複雑な味を再現して植物性食品に付与する天然香料製品「PLANTREACT」を発売しました。

香料添加を抑えてクリーンラベル実現を支援


より美味しい植物性タンパク質を求める消費者の要望に応えることを目的とする「PLANTREACT」は、発酵と、メイラード反応や酵素分解などの高度な風味付け技術を用いて、ヴィーガン食品に本物のチキン、ビーフ、ポーク、ミルクの各特性を付与するもの。

いずれの香料も熱安定性を持ち、調理工程に関係なく一貫した味を保証。液体またはドライペーストで提供され、食品メーカーのクリーンラベル製品開発を支援します。

この独自技術は、T. Hasegawa USAの「Bridge to Tokyo」プログラムを通じて、日本のグローバル本社とカリフォルニアに拠点を置く米国子会社の専門知識とイノベーションを融合させ、6カ月かけて開発されました。

同社はこれまでにも、食品や飲料のコク味を添加・増強する「BOOSTRACT」や、植物性タンパク質のサイズ(粒度)を動物性タンパク質に合わせることで牛乳のクリーミーな口当たりを再現する乳化技術「EmulsiTRACT」などを発表しています。

味・食感・価格を同時に追求する難しさ


2024年に米国の消費者を対象に行われたMintelの調査では、36%の人が、植物性タンパク質を頻繁に購入しない理由として「」を挙げていました。

T. Hasegawa USAで開発チームを束ねるMary Maierによると、大豆やエンドウ豆のような植物性タンパク質には苦味があり、マスキング剤や香料の添加が必要になるといいます。

「価格が安くても美味しくなければ誰も買わないし、美味しくても食感が悪く高ければ誰も買わないだろう。これらすべてにおいて開発の足並みを揃えなければならず、ここに難しさがある」と説明。

「PLANTREACT」を使えば多量の香料添加を抑えられるとし、「より満足度の高い本物の味を提供する天然香料技術によって、植物性タンパク質に対する消費者の認識を変えたい」とコメントしています。

参考記事:
T. Hasegawa USA turns to tech to solve plant-based flavor challenges
T Hasegawa USA debuts meat flavoring for plant-based foods | Food Dive

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