ニューヨーク市が植物性食品の調達を増加させ、2030年の気候目標を早くも達成

ニューヨーク市政府が植物性タンパク質の購入量を2019年比で130%増加させ、その逆に動物性タンパク質の購入量を15%削減したと報告しました。これにより、食料に関連する2030年の気候目標を4年前倒しで達成しています。

食料関連の温室効果ガス排出量を36%削減


持続可能性への取り組みでリーダーシップをとるニューヨーク市は、2025年の食料関連の温室効果ガス排出量がCO₂換算で104万トンとなり、2019年比で36%削減されたと発表しました。これは、市が2030年を期限に約束していた33%の削減を上回る数値です。

この成果は、タンパク質の転換に尽力してきた市当局の取り組みが実を結んだもの。ニューヨーク市は植物性食品政策の先駆者であり、公立学校、病院、刑務所、高齢者施設、ホームレス向けのシェルターといった公共機関で植物性食品の導入を進めてきました。

基準となる2019年以降、豆類、ナッツ、種子など植物性タンパク質の購入量を130%増加させ、果物と野菜も46%増やしています。

その一方で、乳製品を21%、反芻動物(牛や羊)の肉を67%削減。動物性タンパク質の購入量は、全体で15%減少しました。

ニューヨーク市食料政策局の上級政策アナリスト、Sierra Hollowellは、「これらの成果は、食料政策局、保健局、そして食品調達機関が、健康的で美味しい食事を提供しつつ価値観に基づいた調達を推進するために行った、共同の取り組みを反映したものだ」とSNSに投稿しています。

消費量に対して環境影響の大きい食肉製品


ニューヨーク市は2022年、地域経済、環境の持続可能性、労働力の尊重、動物福祉、栄養という5つの価値観に基づいて各公共機関が食品を購入するよう奨励する、「Good Food Purchasing」イニシアチブをスタートさせました。

その一環として、市が購入する食品の種類と産地についての透明性向上を掲げており、各種のデータを積極的に開示。それによると、2019〜25年を累計すると乳製品への支出が最も多く、これは重量ベースで全食品購入の約35%、金額ベースで25%にあたります。

しかし乳製品は、同時に市の食料関連排出量の最大の要因でもあり、全体の42%を占めています。次いで反芻動物の肉(21%)と鶏肉(10%)が続き、肉の消費量が少ないにもかかわらず、気候変動への影響が非常に大きいことを示しています。

対照的に、植物由来の食品(油、香辛料、砂糖を除く)は、市の食料関連排出量のわずか17.5%に過ぎません。

土地利用についても同様で、反芻動物の肉(30%)、乳製品(21%)、鶏肉(13%)が大部分を占めており、総炭素価格(排出量に加えて、土地を在来植生の回復や炭素隔離ではなく食料生産に利用したことで生じる損失)で見ると、これら3つの食品群で全体の79%に上っています。

公共機関で植物性食品がデフォルトの選択肢に


ニューヨーク市は、環境負荷の軽減と健康的な食生活の促進という2つの観点から、植物性食品の購入を増やす目標を立てました。以来、状況には変化が見られ、2024〜25年度には、果物と野菜への支出額が乳製品を上回っています。

2022年に市内の11の公立病院で植物性食品をデフォルトの選択肢として提供する制度を導入した後は、患者の半数が肉を使わない料理を選び、90%が食事に満足しているとのこと。病院の排出量とコスト削減にも貢献しています。

2023年には、この病院でのキャンペーンに触発されて、全米の1,400人の市長が署名した決議により、植物性食品を中心とした食生活への全国的な移行が推進されました。

昨年には、11の機関に対して、公共給食における食事やスナックから加工肉をすべて排除し、加工を最小限に抑えた植物性タンパク質の量を増やすよう指示。この変更は来月から実施される予定です。

市当局はまた、「Plant-Powered Carbon Challenge」と題したプログラムを開始し、非営利団体のGreener by Defaultがパートナー団体の排出量追跡や、植物性食品中心のメニュー設計におけるベストプラクティスの共有を支援。この取り組みは、コロンビア大学、ロックフェラー財団、ケータリング大手のアラマーク、全米オープンテニスなど、多くの組織や団体に採用されています。

参考記事:
Sierra Hollowell | LinkedIn
Dashboard – Food Policy
New York City Ups Spending on Plant-Based Food to Hit 2030 Emissions Goal Early

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