スウェーデンのLivoo、オーツミルク製造の廃棄物をアップサイクルしたタンパク質原料を発表

スウェーデンのフードテック企業Livooが、オーツミルクの製造時に残るパルプ(搾りかす)から作られた、タンパク質と食物繊維の豊富な新原料「Eco-OATup」を発表しました。

副産物の劣化を防ぎ、保存性を高める低温乾燥技術


オーツミルクの製造過程では、液体をろ過した後に水分を含んだパルプが残ります。研究によると、オーツミルク1リットルあたり200~450gの副産物が発生。世界全体では、その量は年間約22万8,000トンにも上り、2020年代の終わりまでには50万トンに増加すると予測されています。

このパルプには、タンパク質や食物繊維、微量栄養素が豊富に含まれているものの、水分含有量が高く腐敗しやすいため、大量生産での活用が困難でした。

LivooのCEOを務めるStefan Ekstrandは、「オーツ麦のパルプは微生物の増殖を防ぐため直ちに処理する必要があり、安定化処理を行わないと、製造工程から排出されて60分以内に劣化が始まる」と説明しています。

同社はこの副産物を生産地の近くで回収し、タンパク質や繊維質を劣化させる従来の高温乾燥システムとは異なる独自の低温乾燥技術を用いて、穏やかに安定化。栄養価を維持しながら、長期保存可能な原料に仕上げました。

この原料は40%(標準的なオーツ麦の3倍)がオーツ麦由来のタンパク質で、多くの必須アミノ酸を豊富に含んでおり、分岐鎖アミノ酸(100gあたり6.93g)はエンドウ豆や米のタンパク質よりも高い値。食物繊維も、標準的なオーツ麦の倍の20%含み、β-グルカン含有量は5%です。

Livoo原料部門の責任者Juan Carilloは、「ほとんどの穀物タンパク質と同様、オーツ麦タンパク質はリジンが制限アミノ酸となるため、単体では完全タンパク質とはみなされないが、だからこそブレンドの可能性が大きく広がる」とコメント。

「リジンを豊富に含む豆類のようなタンパク質と組み合わせることでバランスを取りながら、多くのタンパク質分離物にない利点として、食物繊維、オーツ麦の風味、アップサイクル、クリーンラベルなどを加えることができる」と語っています。

循環型のストーリーで付加価値の高い製品づくりを支援


Livooのモジュール式乾燥システムは、生産現場へ柔軟に設置でき、水や高水分バイオマスの輸送を最小限に抑えて環境負荷を低減します。

Ekstrandは、同社の原料を使用することで、「メーカー各社は健康志向やサステナビリティを重視するブランドにとって非常に魅力的な、欧州産オーツ麦ベースの循環型原料というストーリーを発信でき、より付加価値の高い製品づくりが可能になる」と指摘。

「当社の事業モデルは、貴重な副産物を生産地に近い場所で安定化させ、高品質な機能性原料として食品システムに還元するものだ。製造はEU域内で行われており、需要の増加に対応するため、事業規模を継続的に拡大している」と述べました。

同社のオーツ麦タンパク質の最初の商業生産分は、すでに欧州のB2Bパートナーに出荷されています。さらに、オーツ麦タンパク質を用いた新製品開発、グローバルな流通に向けた原料部門の拡大、そして柔軟な展開モデルによる新たな地域への進出にも取り組んでいます。

「Eco-OATup」は、柔らかな食感とほのかなシリアル風味が特徴で、植物性の代替肉・乳製品、グラノーラ、プロテインシェイク、栄養補助食品、スナック、高タンパク質のベーカリー製品など、幅広い用途に適しています。

スウェーデンではまた、現在イケアのベンチャーキャピタル部門Ingka Investmentsが過半数の株式を保有するThe Green Dairyが、自社のオーツミルク製造から出た残渣をアップサイクルして「reOat」という原料に加工。こちらはタンパク質36%、食物繊維30%を含み、代替肉・乳製品、スポーツ栄養食品、機能性スナックなどに使用されています。

参考記事:
Oat Protein Ingredient Derived from Upcycled Oat Okara – Livoo
Sweden’s Livoo is Making Protein By Upcycling Oat Milk Waste

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