英国の学校給食基準改定で豆類の提供が必須に、栄養強化エンドウ豆ミルクも新たに追加

英国教育省(DfE)による「学校給食基準(School Food Standards)」の10年以上ぶりとなる改定に伴い、イングランドの学校に対し、少なくとも週に1回はメイン料理の選択肢に豆類を含めて提供することが義務付けられました。
豆類を肉類と同列のタンパク源に
教育省は今月、パブリックコメントへの回答を公表しました。計5,216件のコメントが寄せられ、そのうち2,273件は、植物性食品の選択肢の拡充を求める団体Plant-Based Schoolsが主導したキャンペーンによるもの。
今後の流れとしては、10月に規則を制定し、議会の承認を経て2027年9月から(中等学校は1年間の移行期間あり)改定基準を適用する予定です。
現行の基準では、タンパク源を毎日提供することが求められており、そのうち特定の種類のタンパク質については週3日以上の提供が義務付けられています。後者には動物性タンパク質のみが含まれていましたが、新たな基準では豆類もこの対象に追加され、学校側が環境影響のより少ない食品を選択できる制度となっています。
また、パブリックコメントでの要望に応える形で、許可される植物性飲料のリストに栄養強化エンドウ豆ミルクが新たに追加されました。このリストには、すでに無糖の豆乳やオーツミルクも含まれています。さらに、栄養要件を満たすヨーグルトやその植物性の代替品、そしてフムス(主原料はヒヨコ豆)も、許可される間食のリストに加わりました。
加工肉については、摂取量にかかわらず人体への安全性が確認できないとする研究結果があることから、英国政府はソーセージやハム、ベーコン、ハンバーガー用パティ、ミートボール、サラミといった加工肉製品の提供を、週に最大1回と規定。
チーズを主菜の具材として提供できるのは週2回までに制限され、糖分の多い食品・飲料への規制も強化されたほか、揚げ物は全面的に禁止となりました。
世論調査でも大多数が支持を表明
イングランドでは今月より、無料の学校給食の提供範囲が拡大され、ユニバーサル・クレジット(社会保障給付制度)を受給している世帯のすべての子供が対象に。その数は300万人以上に及びます。
給食事業者や地方自治体は協議の場において、食材費・人件費・設備費の増大や、給食の利用率低下のリスクについて懸念を表明しました。ブライトンにある小学校で新基準を6週間にわたって試験的に導入した結果、給食の利用率が15%低下したといい、担当した給食事業者は1食あたり約20ペンス(約42円)の追加コストが発生すると試算しています。
それでも、政府との協議に関わった英国の慈善団体Foodrise(旧称:Feedback)のMartin Bowmanは、今回の要件は「上限」ではなく「最低ライン」として扱われ、それ以上の取り組みが奨励されるべきだと主張。
「豆類などの植物性タンパク質は、多くの場合肉類に比べて安価なため、果物や野菜を増やして学校給食の質と多様性を高め、その他の基準を満たす助けとなる」と述べました。
また、世論調査でも、子供たちの健康増進につながるだけでなく、気候変動の原因となる汚染を減らし子供たちの未来を守ることにも貢献するとして、こうした取り組みを国民の大多数が支持していると指摘しました。
昨年末にYouGovが2,000人を対象に行った調査では、年齢層、経済状況、政治的志向といった属性にかかわらず、英国人の70%が学校給食で植物性食品の割合を高める方針を支持すると答えています。
教育省は、英国食品基準庁(FSA)と共同開発した全国的な遵守状況の確認・監視システムを2027年9月から導入し、監査機関として機能する英国教育水準局(Ofsted)と関連情報を共有する予定。ただし、Ofstedの監査官が給食の内容に基づいて学校を評価することはないものとされています。
参考記事:
New school food standards: what parents need to know – The Education Hub
England Confirms Weekly Pulse Requirement for School Meals From 2027
New school food standards ban deep frying in England from September 2027 | New Food
UK Makes Beans Compulsory & Adds Fortified Pea Milk to School Food Menus
Deep-fried food banned under new school dinner rules in England


この記事へのコメントはありません。