発酵させた黒緑豆を使ったホイップクリーム、ANDFOODSがシンガポールで展開を開始

ニュージーランドのフードテック企業ANDFOODSが、発酵させた黒緑豆(black gram)を原料とする乳製品不使用のホイップクリームを、シンガポールのプロ向けに供給開始しました。

泡立ち、味、形状の安定性が特長


ANDFOODSは2023年にマッセイ大学の研究機関Riddet Instituteで設立され、2024年にはIcehouse Venturesが主導するシードラウンドで270万ドル(約4億2,800万円)を調達しました。

豆類を原料としたクリームや粉乳の製品化を進めており、アジア全域への事業拡大を見据え、中国の上海に置いた製造拠点で生産と流通体制を整えています。

今回発売されたホイップクリームは、先月末にシンガポールで開かれた「Asia-Pacific Agri-Food Innovation Summit」にて、正式に発表されました。現地の外食産業向け卸売業者Lim Siang Huatを通じて、1リットルの紙パック入りで、業務用としての販売が始まっています。

すでに複数のシェフがこのクリームを使用していますが、その中の一つであるレストラン「The Glasshouse」のシェフ、Josh Liewは「乳製品不使用というと、大抵何らかの妥協が必要になるため、最初は懐疑的だった。ANDFOODSの製品はその考えを覆すもので、見事に泡立ち、味わいはすっきりとしていて、提供している間状態がしっかりと維持される」と語りました。

ANDFOODSによると、このクリームは乳製品のクリームよりも形状を長く保つことができ、熱を加えても分離しません。同社は、シンガポールの高温多湿な環境に適するよう、配合を調節しているとのこと。

推奨される用途には、コーヒー用のコールドフォーム、プロフィトロール(シュー菓子)、チョコレートガナッシュ、アフォガート、チーズケーキ、チョコレートムースなどが挙げられています。

乳製品やほかの植物性素材を上回る性能を発揮


このクリームは、黒緑豆特有の植物的な風味を取り除くため、特許取得済みの発酵プロセスを経て作られています。豆に含まれる多糖類がクリームの構造を形成し、それを維持する役割を果たすといい、この特性により、ほかの植物性素材を用いた製品に比べて優れた泡立ちと安定性が実現されます。

市場に出回っている乳製品不使用クリームの多くは、乳製品に近づけるために油分や添加物に頼っているのに対し、同社のホイップクリームには、パーム油や水素添加油脂は一切含まれていません。

同社は、既存の代替品30種類をベンチマークとして比較検討を行い、実際の厨房環境において乳製品やほかの植物性クリームと同等以上の性能を発揮するよう開発しました。

液体クリーム1リットルを泡立てると2.6リットル分として使用でき、製品の保存期間は12カ月となっています。

ANDFOODSのCEOを務めるAlex Devereuxは、「シェフたちは、食感、味、一貫性といった品質において妥協を許さない。乳製品フリーの選択をする際であっても、そうした妥協を強いられるべきではない」と説明。

「シンガポールは、製品の性能が迅速かつ明確に試される市場だ。プロのキッチンやベーカリー、飲料事業者が密集しており、アジアのより広い地域への玄関口でもある。Lim Siang Huatとの提携によって、こうした現場の厨房へ直接アプローチするルートを確保できた」とコメントしています。

参考記事:
Alex Devereux | LinkedIn
Andfoods Targets Singapore’s Heat and Humidity With Fermented Black Mung Bean Whipping Cream
Exporting Functionality ANDFOODS Finds Its Feet in Asia

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