ÄIOとTFTAK、精密発酵油脂の生産強化プロジェクトでエストニア政府から約3.5億円を獲得

エストニアのバイオテクノロジー企業ÄIOと研究機関TFTAKが、発酵由来の油脂の生産コスト低減を目指す3カ年プロジェクトに対して、194万ユーロ(約3億5,000万円)の公的資金を獲得しました。

第1段階の成果を基盤に、産業生産へと移行


DigiFoundry 2.0(DF2.0)」と名付けられた本プロジェクトは、総予算約253万ユーロ(約4億6,100万円)で、2026年7月から2029年6月までの3年間にわたって実施されます。

今回の資金提供は、エストニア経済通信省の財源による「Estonian Business and Innovation Agency(EIS)」の応用研究プログラムを通じて行われます。ÄIOの申請は、同プログラムの第10回公募において採択された案件の中で、最高評価を獲得しました。

本プロジェクトの前段階として2023〜26年にかけて実施された「DigiFoundry」では、精密発酵で用いる微生物株の自動設計を行うためのDBTL(設計・構築・評価・学習)サイクルを確立。さらにパイロットスケールでの発酵試験、官能評価、技術経済性分析も実施されました。

「DF2.0」では、そのアプローチを研究開発の段階から本格的な生産プロセス全体へと拡大し、コストの削減と、新たな原料を産業生産へと移行させるまでの期間短縮を目標に掲げています。

ÄIOの共同創業者兼COOで、タリン工科大学(TalTech)の教授も務めるPetri-Jaan Lahtveeは、「今回のプロジェクトでは、前回の成果を基盤に、生物学、発酵、そしてデジタル化を一つの統合されたシステムへとつなぎ合わせる。微生物による油脂生産を単に持続可能なものにするだけでなく、産業規模において極めて効率的かつ経済的な競争力を持たせることが目標だ」と語っています。

副産物を持続可能な油脂に変換


ÄIOの精密発酵では、遺伝子操作を施した特殊な酵母を用いて、食品産業・農業・林業から生じる副産物を、化粧品や食品の原料として利用できる油脂へと変換。

熱帯産油脂や動物性油脂の代替となるこの油脂の生産プロセスは、従来の方法と比較して土地利用を最大97%、水の使用量を最大90%削減できるといいます。

発酵工程では、微生物の性能、プロセスの各種条件、製品特性など多岐にわたる大量のデータが生成されます。本プロジェクトでは、精密発酵を商業的に実現可能なものにする鍵として、これらのデータの自動化処理を重視しています。

エストニアの民間研究機関TFTAKは、合成生物学、官能評価、微生物のスクリーニングといった手法を通じて、当初のワークフロー構築に貢献しました。「DF2.0」においては、菌株エンジニアリングと、自動化を進めた生産プロセスとの連携に注力する予定です。

参考記事:
ÄIO • PRESS RELEASE! ÄIO and TFTAK secure €1.94M to make microbial oil production faster, smarter and more competitive!
TFTAK and ÄIO launch DigiFoundry 2.0 to advance microbial oil production technologies
ÄIO and TFTAK Win €1.94M Grant to Build Digital Platform for Microbial Oil Production
Äio and TFTAK secure €1.94m to enhance microbial oil production | FoodBev Media

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