カリフォルニア州知事が、米国初となる「非超加工食品(Non-UPF)」認証ラベルを創設する法案に署名

米国・カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事が、同州内の食品を対象とした「超加工食品ではない(Non-UPF)」ことを示す認証ラベルを導入する超党派の法案「AB 2244」に署名し、成立させました。

健康的な食品を増やして疾病の予防に


超加工食品(UPF)が米国の食品政策において大きな議論の的となっている中、全米最大の人口を抱えるカリフォルニア州の取り組みが新たな段階に入りました。

今年2月に提出された同法案は、州議会下院で72対0、上院で32対0という全会一致の支持を得た後、ニューサム知事の署名を受けて成立。同州は、超加工食品に焦点を当てた任意ラベルを創設する全米初の州となりました。

食品メーカーは、一定の基準を満たす製品のパッケージ表面に「Non-Ultraprocessed Certified」というマークを表示できるようになります。認証マーク取得の申請は2028年6月からで、取得後3年ごとの更新が求められます。

同法ではまた、年間売上高が1,000万ドル(約15億8,000万円)を超え、かつ「Non-UPF」認証を受けた製品を25品目以上取り扱っているスーパーマーケットに対して、レジや入り口などの目立つ場所に認証ラベルの付いた製品を少なくとも3品目陳列することも義務付けました。

州はこれらの製品の公開リストを維持・管理し、認証記録の監査を行うとともに、認証マークに関する基準の運用を担います。

「私たちは、病気になってからの治療ではなく、日々の健康管理に目を向けるべきだ。病気を見つけて治療法を探し、その費用を負担するよりも、病気を未然に防ぐことの方がはるかに望ましい」とニューサム知事はコメント。

「だからこそカリフォルニア州としては、未加工の健康的な食品を可能な限り手に入れやすくすることに注力し、より健康的な選択を容易にしようという考えだ」と語りました。

「超加工食品」の定義に関する問題点


連邦政府は超加工食品への対策を約束しつつも、具体的な施策を実現できずにいますが、政策立案が一筋縄ではいかない理由は、そもそも言葉の明確な定義が存在しないことにあります。

超加工食品という分類は、2009年に考案された「NOVA(ノバ)分類法」で初めて登場しましたが、「工業的な配合や技術、そして外観や風味を整えるための添加物を含む食品」との定義は、コーラやポテトチップスなどのスナック菓子から、全粒粉パンや栄養強化豆乳に至るまで、あらゆるものを一括りにしてしまう内容でした。

そのため、多くの専門家が、ノバ分類法による超加工食品の定義はあまりに広範であり、誤解を招いた結果、実際には体に良い食品まで排除してしまう恐れがあると批判。確かに、超加工食品とさまざまな健康障害(早期死亡を含む)との関連を示す研究もある一方で、「食品の加工度」と「栄養価」を混同すべきではないと警鐘を鳴らしています。

こうした課題に対処するべく、カリフォルニア州が2025年に施行した法律では、超加工食品を「特定の安定剤、増粘剤、乳化剤、香料、着色料、非栄養性甘味料、および多量の飽和脂肪酸、ナトリウム、または添加糖を含む製品」と定義しました。今回導入される「Non-UPF」ラベル製品にも、この定義が適用されます。

制度の実装にあたって参考にしたのが、企業が自主的に費用を負担し、第三者機関から製品の認証を受ける仕組みとなっている、米国農務省(USDA)の「USDAオーガニック」認証。

法案「AB 2244」を起草した民主党のジェシー・ガブリエル下院議員は、「USDAオーガニックと同様に、新しい認証マークは消費者に明確で信頼できる情報を提供し、有害な添加物を含まないより健康的な食品を見つけやすくするだろう」と述べています。

連邦レベルの政策立案への道を開く


トランプ政権下で今年初めに改定された食生活ガイドラインでは、食事に関連する疾患の原因として「高度に加工された食品」が挙げられていました。連邦議会では、子供向けの超加工食品の販売を禁止し、パッケージの表面に警告ラベルの表示を義務付ける法案が検討されています。

ロバート・ケネディ・ジュニア保健長官は、特定の超加工食品に対する「GRAS(一般に安全と認められる)」認定の取り消しを求める請願に対して、米国食品医薬品局(FDA)が何らかの行動を起こすと回答していました。しかしながら、当のFDAは全面的な禁止については否定的な姿勢を示しており、超加工食品の定義の公表も先送りにされ続けています。

カリフォルニア州は、超加工食品対策の政策立案において先駆的な役割を果たしており、昨年には特に懸念される食品を学校給食などから段階的に排除する法案「Real Food, Healthy Kids Act(AB 1264)」に知事が署名しました。

同法もガブリエル議員が提出したものであり、2023年の「カリフォルニア州食品安全法(AB 418)」や2024年の「カリフォルニア州学校給食安全法(AB 2316)」と並んで、「食品添加物や超加工食品に関する全米レベルの議論を変え、連邦の政策を形作り、ほかの30以上の州における同様の法整備を促す一助となった」とされています。

「ワシントンD.C.が何もしないまま機能不全に陥っている一方で、カリフォルニア州では共和党と民主党が協力し合い、消費者が有害な超加工食品を避けられる体制を築こうとしている」とガブリエル議員は述べました。

現在、アリゾナ、テキサス、ルイジアナ、ウェストバージニアなど、いくつかの州で超加工食品に対する規制が導入されています。また、ここ数年で「Non-UPF Program」、「Non-GMO Project」、「Wisecode」といった団体による非超加工食品の認証制度も次々と登場してきました。

こうした動きの背景にあるのが、超加工食品がもたらす健康上の懸念事項。調査によると、米国人の72%が食事からこれらの製品を排除しようと努めており、79%が公衆衛生に対する「重大な脅威」だと感じています。食品を購入する際に加工の度合いを考慮する人の割合も、昨年の80%からやや減少しているものの、73%に上ります。

参考記事:
Governor Newsom signs legislation creating non-UPF label, other health bills advancing California’s nation-leading healthcare strategy | Governor of California
Gavin Newsom | Facebook
California is the first state to pass a voluntary non-UPF label program
Newsom Signs Law to Create First-of-A-Kind Non-UPF Certified Label in California

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