スペインの植物性代替肉大手Heura FoodsがEIBから約32.6億円の融資を獲得、第4四半期に黒字化を見込む

スペインの植物性食品メーカーHeura Foodsが、欧州投資銀行(EIB)から2,000万ユーロ(約32億6,000万円)の融資を獲得したと発表しました。
栄養価を向上させた次世代製品へ多角化
Heura Foodsは、ヴィーガンチキン、ハンバーガー、ソーセージといった既存の植物性代替肉製品にとどまらず、栄養密度を向上させた植物性スライスハム、乳製品フリーのチーズ、タンパク質含有量を60%にまで高めたパスタと多角化を進めており、この資金調達により、次世代製品の大量生産に向け開発を加速させる考えです。
今年1月には、拠点を置くバルセロナのイノベーション特区「22@Barcelona」内に新たな研究所を開設。同時に、以後9カ月間で6件の特許を新規登録する計画を発表していました。
先月にはフランスの同業他社SWAP Food(旧称:Umiami)とコラボし、欧州の3カ国でホールカットのチキンフィレを発売しています。
今回の融資にあたっては、2021〜27年にかけての政策目標を支援するため、少なくとも3,720億ユーロ(約60兆6,000億円)の公共・民間セクターへの追加投資を動員することを目的とした、欧州連合(EU)の「InvestEU」プログラムが保証を提供。
EIBのAlessandro Izzoは、「この融資契約は、EIBがバイオエコノミー分野の最前線に立ち、バリューチェーン全体でイノベーションと持続可能性を推進する企業への支援を強化していることを明確に示すものだ。新しい植物性食品の開発に資することで、欧州におけるより持続可能で健康的な食料システム、そしてEU全体の食料安全保障にも貢献していく」とコメントしています。
2026年には通年での黒字化も
Heura Foodsによると、同社は現在、このカテゴリーのスタートアップ企業としては初となる黒字化の達成に向けて、歩みを進めている最中。
英国、スイス、オーストリアの店舗数削減などで損失を半分以下に減らすことに成功しており、2025年第4四半期には黒字化を達成、2026年には通年での黒字化も実現させる見込みです。
近年、多くの植物性食品企業が売り上げと投資額の減少に悩まされている中、同社の状況は安定しており、昨年の売上高は前年並みとなる3,800万ユーロ(約61億9,000万円)を記録。シリーズBラウンドでは、4,000万ユーロ(約65億1,000万円)の調達を成功させました。
スペイン国内では依然としてカテゴリーを代表する企業として、最も高いブランド・ロイヤルティと、2番手の競合他社の倍の市場シェアを維持。近隣のイタリア、フランス、ポルトガルでは、34.5%の成長を遂げているといいます。
さらに、クルーズ会社のロイヤル・カリビアン、ブエリング航空、ファストフードチェーンRodillaとの提携や、テイラー・スウィフトのツアーなど注目度の高いイベントへの参加を通じて、外食チャネルでの存在感を拡大し続けています。
参考記事:
Spain: EIB provides Heura Foods with €20 million in financing to develop innovative and sustainable plant-based food products
Heura Secures €20M From the European Investment Bank, Expects to Reach Profitability in Q4 2025
Heura bags $22.2m from EIB to expand plant-based tech platform, aims for profitability in Q4
Heura receives €20 million in financing from the European Investment Bank
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