ジェフ・ベゾスが支援する英豪の共同プロジェクトがスタート、AIの活用で食品廃棄物を微生物タンパク質に変換

オーストラリアの国立研究機関CSIROと英国のリーズ大学が、食品廃棄物を活用して持続可能なタンパク質を生産するAIツールの開発プロジェクトに対して、ベゾス・アース・ファンド(Bezos Earth Fund)からの資金提供を受けました。
資金提供は昨年10月に発表されたものですが、今回新たにプロジェクトの詳細が明かされています。
AIで最適な発酵条件の算出を図る
CSIROとリーズ大学の研究者が共同で取り組んでいるこの2年間のプロジェクトは、ベゾス・アース・ファンドの人工知能(AI)分野に特化した資金提供プログラム「AI for Climate and Nature Grand Challenge」から200万ドル(約3億1,700万円)の支援を獲得。
本プロジェクトでは、傷んだ作物や収穫されなかった作物、菜種粕・米ぬか・ビール粕(BSG)などの穀物副産物、チーズ製造の副産物を活用して、バイオマス発酵によりヒトや動物向け食品の原料となる微生物タンパク質粉末を生産。
最適な発酵条件を算出するオープンアクセスのAIツールを開発し、従来の代替タンパク源と価格面で競合可能なアップサイクルタンパク質の生産を目指しています。
CSIROのプロジェクトリーダーKai Knoerzerによると、現在世界では年間数十億トンもの栄養豊富な物質が失われているとのこと。国際連合のデータでは、生産される食料の3分の1が廃棄または失われており、世界の排出量の10%と1兆ドルの経済損失をもたらしているとされています。
「酵母を用いて発酵させることで、食品廃棄物は循環型バイオエコノミーの枠組みの中で価値ある製品へと変容させられる」とKnoerzerは述べています。
気候変動に対処するAI開発に計1億ドルを拠出
ベゾス・アース・ファンドのAI・データ戦略ディレクターAmen Ra Masharikiは、このプロジェクトについて、AIが科学と地域固有の知見に基づき責任を持って開発されれば、気候変動対策を支え、地球への全体的な影響をプラスにできることを示していると述べました。
同ファンドがAI分野を対象に実施する1億ドル(約158億円)規模のこの資金提供プログラムでは、第2フェーズで15件が採択されました。
本プロジェクトのほかには、米国の非営利団体Food System Innovationsが同じく200万ドルを獲得。スタンフォード大学と共同で、代替プロテイン製品の開発を推進するオープンソースAIモデルの構築を進めています。
フードテックの分野でAI活用を進めるスタートアップ企業は増加しており、同じバイオマス発酵の分野で食品廃棄物のアップサイクルに注力するスペインのMOA Foodtechがその一例。
ドイツのNosh Biofoodsは、米Ginkgo Bioworksと提携して、マイコプロテイン生産に用いる真菌株のAIによるスクリーニングを試みています。
参考記事:
CSIRO partners on global project to boost food security – CSIRO
Building an AI platform to help food security | University of Leeds
CSIRO joins global effort to turn agrifood waste into competitive protein using AI and fermentation | PPTI News
Backed by Bezos, UK-Australian Project Turns Food Waste Into Microbial Protein with AI


この記事へのコメントはありません。