圧力制御されたCO₂処理が、エンドウ豆タンパク質で作られる代替肉の食感改善に寄与 —韓国・公州大学校

韓国・公州大学校に所属する研究者らが、圧力を制御してCO₂を注入する処理によって、エンドウ豆タンパク質分離物を原料とする代替肉の構造的・組織的特性に顕著な影響を与えることができたと報告。
CO₂の注入圧力を変えて検証したところ、最適な圧力範囲では凝集性と歯ごたえが向上する一方、圧力をかけ過ぎると構造の脆弱性が増すことが明らかにされました。
植物性代替肉製品の特性を向上させる新たな加工手法の可能性を示唆した研究として、学術誌『Food Science and Biotechnology』に掲載されています。
適度な圧力レベルではタンパク質の構造化に好影響
エンドウ豆タンパク質は、入手容易性、アミノ酸組成、アレルゲンリスクの低さから代替肉の原料として広く利用されていますが、食感や結合性、口当たりの面での課題があり応用が制限されている一面もあります。
本研究では、化学修飾剤に依存せず、ガスアシスト成形によってこの制限を解消できるかを調査。加工助剤として圧力を制御したCO₂を注入し、タンパク質マトリックスに溶解させて分子間の相互作用に影響を与える実験を行いました。
実験結果を分析すると、適度な圧力レベルはタンパク質の部分的な変性と再構成を促進し、より強固な分子間結合と均一なネットワーク形成を支えたとのこと。これらの変化は、最終製品における保水性の向上と機械的強度の改善に関連していたといいます。
チームはさまざまな圧力条件について評価を行い、レオロジー(粘弾性)試験、顕微鏡観察、テクスチャープロファイル分析を用いて、得られたサンプルを解析。
その結果、CO₂の圧力を増加させると、設定された閾値まではタンパク質の溶解性とゲル形成の改善が見られましたが、閾値を超える過剰な圧力をかけたところ、タンパク質の分解を引き起こし、構造的完全性が低減して食感が損なわれました。
幅広い植物性タンパク質に適応し、添加物依存を低減
顕微鏡画像の解析では、最適な圧力のCO₂で処理したサンプルは、未処理の対照群と比べて、より整列した連続的な内部構造を発達させると判明。これは、従来の食肉の繊維状の特性を再現する上で重要と考えられます。
研究チームはさらに官能特性に関連するパラメータについても評価し、CO₂で処理したサンプルはジューシーさが増加して、まとまりのある食感を示すと結論。これらの効果は、タンパク質マトリックス内での保水性の向上と安定したゲルネットワークに起因するものとしました。
化学的観点から見ると、CO₂の導入は局所的な酸性化を引き起こし、タンパク質分子間の静電相互作用を変化させます。この変化により、構造化時のタンパク質間結合が強化されつつ、エンドウ豆タンパク質の持つ栄養価は維持されました。
著者らは、CO₂処理が環境・運用面での利点をもたらし得ると指摘。CO₂はすでに多くの工業プロセスで回収・再利用が進んでおり、一時的な加工助剤としての応用によって添加物依存を低減できる可能性があります。また、最小限の改造を加えれば、植物性食品の製造で一般的に使われる押出成形機など、既存の加工装置との統合も容易です。
また、ガスアシスト成形においては圧力のわずかな変動がタンパク質の機能性に大きな差異をもたらすことを示し、CO₂の注入圧力が代替肉の食感を調整するための制御可能な変数であると結論しました。
本研究はエンドウ豆タンパク質分離物に焦点を当てていましたが、基盤となるメカニズムは、別の豆類や穀物由来の原料を含む、ほかの植物性タンパク源にも適用できるとのこと。
適応度が高いため、原料の入手しやすさや価格が変動する中で、代替肉製品の多様化を助ける可能性があると期待されています。


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