スイス最高裁、ダノンの上訴を棄却し植物性飲料への「ミルク」表示を禁止

スイス連邦裁判所が、国内で販売されるオーツミルク製品のラベルに「ミルク」という言葉を使用することを禁ずる判決を下しました。

先日英国でなされたものと同様の判断ですが、今回争点となったダノンの製品は「This Is Not M*lk」という伏字を用いた表現をしていたにもかかわらず、法律違反として禁止されています。

禁止の範囲を拡大、法の抜け穴をふさぐ措置に


植物性ミルクのメーカーは、製品の表示やマーケティング手法に制限をかけようとする動きと長年闘ってきました。反対派は、これらの製品は乳製品の定義を満たしていないため、乳製品に関連する用語を用いることはできないと主張しています。

植物性ミルク業界は長年、こうした批判を回避する戦略を採らざるを得ず、「milk」の「i」をアスタリスク、感嘆符、ピリオド、または「y」などの文字や記号に置き換える手法がその一つです。

今回の訴訟は、フランスの乳製品大手ダノンが「Alpro」ブランドで販売しているオーツミルク製品「This Is Not M*lk」を巡って争われていたもの。

同ブランドは、主力製品のラインアップからは「milk」という言葉を外し、「Alpro Oat」や「Alpro Almond」といった主原料中心の表記を採用していますが、乳製品の風味のより忠実な再現を目的としたオーツ麦ベースの代替ミルクに関しては、「i」を白い水滴マークで置き換え、法の抜け穴を突いていました。

この表記は、欧州連合(EU)の規則には抵触せず使用ができていたものの、スイスはさらに一歩踏み込んだ判断を実施。2022年、食品安全の監視などを担うチューリッヒ州立研究所がこの製品名に目をつけ、販売を禁止しました。同国の法律において、ミルクは「哺乳類に分類される動物の乳腺からの分泌物」と定義されていることが根拠となっています。

チューリッヒ州裁判所が研究所の決定を支持したのを受けて、ダノンは連邦裁判所に上訴。しかし今回、最高裁の判事らは、2025年のヴィーガン食品の表示に関する判例に則り、4対1の多数決でダノンの訴えを棄却しました。

「原則として、『ミルク』という用語が否定文で使用されている場合や、一部の文字が入れ替えられている場合にも、ヴィーガン製品への適用は認められない」と裁判所は述べています。

植物性食品を推奨する一方で、企業への規制も強化


スイスの食品法では、食品のラベル表示は、とりわけ製品の製造方法、組成、性質に関して、消費者を誤解させるものであってはならないと規定されています。

今回の判決で唯一規制への反対意見を述べていた判事は、日常会話で広く使われている「豆乳」や「アーモンドミルク」を例に挙げ、消費者がパッケージを見てオーツミルクを乳製品と取り違えることはないだろうと指摘しましたが、この主張は認められませんでした。

スイス最高裁は昨年にも、植物性代替肉製品のラベルに「チキン」や「ビーフ」などの記載を行うことを禁止する判決を下していますが、これらの措置は、スイス連邦参事会が昨年発表した新たな栄養戦略と矛盾しています。

持続可能な食環境の構築に重点を置くスイス連邦参事会は、食生活を見直して植物性食品の摂取量を増やすよう国民に呼びかけ。2024年8月に発表された最新の食生活ガイドラインでも、全粒穀物や植物性タンパク質の摂取量増加が推奨されている一方で、植物性食品を扱う企業にとっては不利な裁定が続いています。

欧州の他国における直近の動きとしては、英国最高裁がオーツミルク大手のOatlyに対し、同社が広告宣伝で用いていた「Post Milk Generation」という表現の禁止と商標の無効化を宣言。EU全体でも、植物性代替肉のラベル表示とマーケティングにおいて、31種類の用語の使用を禁止することで合意がなされています。

参考記事:
Danone’s Alpro blocked by dairy label ruling
Swiss Court Bans Use of ‘Milk’ on Plant-Based Alternatives, Rejecting Danone’s Appeal
Oat milk can’t mention milk on package, rules Swiss court – SWI swissinfo.ch

関連記事

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。