余剰のサツマイモを植物性ミルクに加工する米国のスタートアップRootsiiが、約3億円の資金を獲得

アパラチア州立大学発のスタートアップ企業Rootsiiが、農業廃棄物を植物由来の代替乳製品に転換するため、約182万ドル(約2億9,100万円)の助成金を獲得しました。
4つの原材料で作られる代替乳製品
米国・ノースカロライナ州の畑では、毎年約6,300万ポンド(約29,000トン)のサツマイモが形が悪いなどの理由で放置されて腐敗し、州の農家が被る損害は推定1,320万ドル(約21億1,000万円)にも上るとのこと。
同州は米国産サツマイモの約60%を生産していますが、収穫量の最大40%が小売店に届く前に廃棄されているといいます。
アパラチア州立大学の教授Brett Taubmanと、同大学の発酵科学研究所で所長を務めるDaniel Parkerが共同で創業したRootsiiは、2024年6月から開発をスタート。
サツマイモの長鎖デンプンを分解し、砂糖を添加することなくなめらかで自然な甘みを持った液体に変える、特許出願中の酵素処理法を開発しました。この液体には、ビタミンAおよびC、カリウム、マグネシウムも含まれ、生産に必要とする水の量がアーモンドミルクよりも大幅に少ないのも魅力です。
同社の主力製品は牛乳の代替品ですが、そのほかにもコーヒークリーマー、アイスクリーム、ヨーグルト、味噌、発酵ホットソースといった幅広い製品展開を計画しており、2年以内の市場化を目指しています。
現在のところ、サツマイモ、乳化剤としてのチアシード、酵母由来タンパク質、ココナッツオイルの4つの材料を使用。ココナッツオイルは将来的に、ノースカロライナ州のワイン産業から副産物として出るマスカディンブドウの種子油に置き換える予定です。
Taubmanは、近年のパンデミックによる流通の混乱と消費者の嗜好の変化により、州のサツマイモ産業が苦境に立たされる中、新たな製品を開発する必要性が高まっていると強調。「サツマイモ業界はイノベーションを強く必要としており、私たちはその進展に大きく貢献できるものを持っている」とコメントしています。
廃棄物を削減しながら、農家にとっての新市場を開拓
Rootsiiは、ノースカロライナ州に拠点を置く非営利団体のNCInnovationから、暫定的な助成金を受け取りました。
NCInnovationは、州の公立大学における研究成果と商業化のギャップを埋める役割を担っており、資金提供、メンターシップ、官民パートナーシップの構築を通じた支援を提供しています。
最終的な助成金額は契約締結後に確定するとのことですが、開発の次の段階である消費者テスト、賞味期限の検証、生産規模の拡大、そして商業化計画の策定に充てられます。
開発を進めていく中では、ノースカロライナ州サツマイモ委員会(North Carolina Sweetpotato Commission)、Caldwell Community College and Technical Institute、地域の商工会議所、Watauga Economic Development Commission、High Country Impact Fundなど、協力者や支援者のネットワークも構築されました。
チームはまた、商業的パートナーシップを模索し、飲料会社や卸売業者との協議も進めています。
NCInnovationのCEO、Michelle Bolasは「Taubmanの研究は、農業廃棄物を削減しながら、全米最大のサツマイモ生産地であるノースカロライナ州の農家が全く新しい市場を開拓する可能性を秘めている」と述べました。
参考記事:
Brett Taubman | LinkedIn
From the field to the fridge: $1.82M NCInnovation grant supports sweetpotato startup at App State | Appalachian Today
North Carolina Startup Rootsii Gets $1.82M to Turn Surplus Sweet Potatoes Into Plant-Based Milk
App State’s Rootsii lands US$1.82 million grant to turn surplus sweet potatoes into plant-based milk | PPTI News


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