Nourish Ingredientsがアニマルフリー乳脂肪の規模拡大に向け、欧州での製造契約を締結

オーストラリアの原料メーカーNourish Ingredientsが、オランダのSD Guthrie International Speciality Ingredients(以下、SD Guthrie)を欧州における主要な生産パートナーとする契約を締結。
アニマルフリーの代替乳脂肪「Creamilux」の10トン規模での工業生産を完了したと発表しました。
年間数百トン規模の生産を目指す
「Creamilux」は、精密発酵と酵素処理技術を用いて作られ、ごく少量の添加で従来の乳脂肪が持つ口当たりや機能を再現できるように設計されています。本製品は2024年初頭に市場投入されました。
今回の提携は、Nourish Ingredientsの技術および知的財産と、SD Guthrieの製造インフラを統合。これにより、欧州やその他の主要市場において、スケーラブルな安定供給を確立し、低リスクかつ迅速な投入が見込めます。
Nourish Ingredientsは昨年、オランダのライデンにグローバルな事業拠点を設立すると発表。この拠点はすでに、販売と製品化を主軸として本格的な稼働を開始しました。
提携によって、SD Guthrieがオランダに構える施設では数日のうちに10トンの工業生産が実現したといい、既存のインフラは1日あたり20トンに拡大が可能な能力を備えています。
両社は需要に合わせて生産量を増やし、将来的には年間数百トン規模への到達を目指しています。今後12カ月間は、顧客による試験導入を実際の販売やオフテイク契約(長期供給契約)へとつなげる取り組みを進める予定です。
Nourish Ingredientsの共同創業者でCTO(最高技術責任者)を務めるAnna El Tahchyは、「今回の10トン規模の生産は、製造プロセスの実証と市場化への種まきを行う上で重要な一歩になる。顧客需要の増加に伴って急速に年間100トン体制へと引き上げ、その後2〜3年で500トン、さらにはそれ以上の規模へと拡大していく見込みだ」と語っています。
アジアでは「Tastilux」の生産体制を構築
生産面に加え、SD Guthrieは既存の顧客ネットワークを活用して、Nourish Ingredientsの「Creamilux」および代替肉向けの原料「Tastilux」、両製品の流通を支援します。
「Tastilux」は、加熱調理時のメイラード反応を促進し、肉のような風味と調理体験をもたらす脂肪。この生産のため独自に開発した菌株のバイオマスについては昨年、米国食品香料製造者協会(FEMA)から認可を得て、販売が可能になりました。
Nourish Ingredientsは自社で大規模な生産設備を持たない「アセットライト」モデルを採用しており、中国でも合成生物学企業のCabio Biotechと提携。昨年、初の「Tastilux」の商業生産を実施し、生産能力を17倍に増やしました。
一方、「Creamilux」は欧州連合(EU)とオーストラリアで販売が承認されていること、またSD Guthrieが持つ特殊脂質の製造インフラが特に適していたことから、こちらの生産拠点は欧州に置く決断をしたといいます。
B2Bチャネルを通じて今後6カ月以内には最初の製品が店頭に並ぶ見込みで、まず「Tastilux」が植物性チキン製品として投入され、続いて「Creamilux」が代替乳製品として登場する予定。
現在は、商業化推進と収益性向上に向けて1,500万ドル(約22億8,000万円)を目標とする資金調達を進めており、今後数カ月以内に完了させられるとみています。
参考記事:
Nourish Ingredients Names SD Guthrie European Manufacturing Partner After 10-Tonne Creamilux Run
Nourish Ingredients Signs European Manufacturing Deal to Scale Up Animal-Free Dairy Fat
Nourish Ingredients removes manufacturing bottleneck with 10-ton Creamilux run | PPTI News


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