オランダに新設されたオープンアクセス型の精密発酵施設が本格稼働を開始

オランダ・ヘルダーラント州のエーデに2025年6月にオープンした官民連携のオープンアクセス発酵施設Biotechnology Fermentation Factory(BFF)で、プレパイロットスケールのラボがついに本格稼働を開始しました。

政府や業界企業の支援を受けた新施設


BFFは、未来の食分野におけるリーダーとしてのオランダの地位をさらに確固たるものにするべく、政府の支援を受けた官民連携によって開発された、2カ所の大規模生産施設のうちの1つ。

もう1つの施設である「Cultivate at Scale」は、培養肉のパイオニア企業Mosa Meatからスピンアウトしてリンブルフ州マーストリヒトに設置されており、こちらは細胞培養プロセスに特化したものです。

各施設には、オランダ国家成長基金からCellular Agriculture Netherlandsを通じて1,250万ユーロ(約23億1,000万円)の助成金が投入され、BFFはさらに受託研究機関のNIZO Food Researchから500万ユーロ(約9億3,000万円)を得たほか、ヘルダーラント州の支援も受けています。

BFFは、本格稼働に合わせて今月1日にイベントを開催。企業が発酵プロジェクトを施設に持ち込めるようになったと発表して、この節目を祝いました。

BFFによると、昨年のキックオフからはや1年が経過したものの、この比較的短い期間で多くの進歩を遂げてきたとのこと。プレパイロットスケールのラボは10~30リットル規模で稼働し、精密発酵のためのオープンアクセスインフラを提供します。

オープンアクセスのインフラで商業化を支援


BFFは、NIZOが2023年に運営をスタートした「NIZO Food Innovation Campus」内に設置されており、スタートアップ企業から大手食品メーカーまでがコストのかかる独自のインフラを構築することなく、そのスケールアップ能力を活用できます。

施設内にある発酵設備に加えて、NIZOが運営する欧州最大規模のオープンアクセス型食品向けパイロットプラントの下流加工設備と応用研究所に直接アクセスできるようになり、同社の製品開発や商業化に関する専門知識、規制対応のサポートが得られます。

同社CEOのNikolaas Vlesは以前、「BFFは単なる建物ではなく、持続可能な食品イノベーションへの取り組みそのものだ。企業が精密発酵製品をより容易かつ迅速に市場に投入できるよう、パートナーと共に支援していきたい」と述べていました。

1948年から食品および原料の研究に積極的に取り組んできたNIZOは、BFFの中核組織。そのほか、エコシステムを形成するパートナー企業として、オランダ企業のViviciMosa Meat、機器サプライヤーのGEA Groupが関与しています。

GEA Groupは、今年初めにBFFの精密発酵スケールアップラインの納入・試運転契約を獲得し、2027年からパイロットスケールでの稼働開始を目指しています。

参考記事:
Biotechnology Fermentation Factory | LinkedIn
Netherlands New Open-Access Precision Fermentation Facility is Now Fully Operational
Dutch Govt Cements Sustainable Protein Leadership with €25M Investment in Scale-Up Facilities

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