ダノン、ミシュランなどが共同でフランスに発酵施設を開設、企業の商業生産への移行を支援

ダノン、ミシュラン、および4つの官民パートナーの連携による共用発酵施設「Biotech Open Platform(BIOP)」が、フランス中部のクレルモン=フェランで開設されました。

15,000リットルの発酵ラインが稼働開始


「BIOP」は、企業の生産スケールアップを支援するべく、2024年に設立が決定されました。ミシュランの「Innovation Park – Cataroux」内に位置し、5,000平方メートルの敷地面積を誇ります。

第1フェーズの投資額は2,000万ユーロ(約35億4,000万円)超。設備には、食品生産に適用される基準を満たした最大容量15,000リットルの完全な発酵ライン、準工業規模の精製システム、そしてバイオプロセス開発機能が備わっています。

設立メンバーにはダノンとミシュランに加えて、米国のバイオ製造企業であるDMC Biotechnologies、Crédit Agricole Centre France、Clermont Auvergne Innovation、Greentechが名を連ね、オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏が管理するEUの「欧州地域開発基金(ERDF)」やClermont Auvergne Métropole(フランスの都市共同体)からの支援も受けました。

この施設は、酵母や細菌、真菌、微細藻類を用いて、タンパク質、酵素、食品原料、化粧品の有効成分、その他生体材料などのバイオ素材を生産する企業と研究開発機関に門戸を開いています。

顧客は実際の商業生産に近い条件下でプロセスの開発・検証を行うことができ、本格的に規模を拡大する前に、用途開発に十分な量のサンプルの製造が可能です。

市場の障壁を解消する生産拠点に


こうした生産の中間段階に必要な設備へのアクセスは、欧州の発酵関連企業にとって長年の課題でした。また、大規模施設の利用が限られていることは、昨年打ち出された欧州委員会の戦略文書においても、市場における障壁の一つとして議論されています。

だからこそ、ダノンがプラットフォームに参加するのには重要な意味があります。Alpro、Oikos、Silkといったブランドを擁する同社は、4,000種類もの菌株を含む世界最大級の発酵ライブラリーを保有。すでに精密発酵業界への関与を見せており、イスラエルのスタートアップ企業ImagindairyとフランスのStanding Ovationに投資を行ってきました。

BIOPは、顧客の機密情報や知的財産を保護するため、株主企業とは独立した独自のチームとインフラで運営を行っています。

「生産規模の拡大には、経験や技術的ノウハウに加えて、拡大の過程で生じる課題を解決する能力が求められる。また、顧客企業にとっては、機密保持や知的財産の保護も極めて重要だ。私たちの役割は、そうした企業がより迅速かつ確実に工業化へと進めるよう支援することにある」と、CEOのKhadidja Romariはコメントしました。

タイヤメーカーであるミシュランは、このプラットフォームがバイオ素材を原料として試すためのテストベッド(実証の場)になると期待。グループ会長のFlorent Menegauxは、「石油化学由来の分子を、より持続可能なバイオベースの代替品へと置き換える新たな方法を模索する機会」としています。

参考記事:
Biotech Open Platform inaugurates its biotechnology platform, opening a new chapter for industrial innovation in Europe
Michelin-backed Biotech Open Platform goes live, supporting the development of bio-based alternatives to petrochemical derived materials
Danone and Michelin’s €20M Fermentation Scale-Up Site Opens to Outside Projects in France
Biotech Open Platform: Danone, Michelin & Co Open €20M Precision Fermentation Facility

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