イスラエルのSteakholder Foodsが、3Dバイオプリンティングの新たなビジネスモデルを発表

イスラエルのSteakholder Foods(旧称:MeaTech 3D)が、3Dバイオプリンティングの新たなビジネスモデルを発表。自社の培養肉製品開発に加えて、食肉メーカーや培養肉メーカーに、3Dバイオプリンターとバイオインク(生物由来のインク)をB2B供給する意向を示しました。

3Dバイオプリンティング技術に関する専門知識を持ち、味、食感、見た目の面で本物の肉を忠実に再現した最終製品を作ることのできる、Steakholder Foods。同社のチームは、4年以上にわたって技術開発に取り組んできました。

そのバイオプリンティング・プラットフォームを用いて、2021年に世界最大サイズの3Dプリント培養ステーキを発表。2023年4月には、シンガポールの培養シーフード企業Umami Meatsと共同開発した、世界初の3Dプリント培養魚フィレを公開しています。

最終製品に合わせた2種類のバイオプリンターを提供


Steakholder Foodsは、RTC(Ready-to-Cook)用と培養製品用、2種類の最先端を謳う3Dプリンターを開発しています。

主力製品のRTC用プリンターは、培養原料と植物由来原料を混合した、ハイブリッド培養肉を製造。ゲル状の材料を滴下していき3次元構造を作る、特にシーフード製品の製造に最適なDropJet技術、またはペースト状の材料を細いノズルから押し出すFusion技術により、従来の肉の繊維を模した製品を作ります。

一方の培養製品用プリンターは、組織工学に基づくステーキなどの、完全に成熟した培養肉を製造できるよう設計。生きた細胞を成長、分化、成熟させ、従来の肉の食感と味を模した複雑な繊維状の組織を形成します。いずれ培養肉を低コストかつ大規模に製造できるようになったとき、同社にとって価値を生む製品となることが期待されています。

バイオインクを顧客に合わせてカスタマイズ


植物由来成分と培養細胞を混ぜ合わせたバイオインクは、美味しく安全で安定した製品の製造を保証する、3Dプリンティング技術に欠かせないものです。

Steakholder Foodsによると、将来的には、顧客ニーズや肉の好みに合わせてカスタマイズしたバイオインクを購入できるようになるとのこと。

同社CEOのArik Kaufmanは、「B2Bのクライアントに3Dプリンティングの生産手法を提供することで、当社は消費者が求める製品の生産を可能にするバックボーンサプライヤーとなることができる。独自のプリント技術とカスタマイズしたバイオインクで、食品業界に革命を起こしたい」と語っています。

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