米Voyage Foodsがビーンレスコーヒーを発売、従来品より最大40%の低価格を実現

チョコレートやコーヒーの持続可能な代替品を開発する米国企業Voyage Foodsが、外食企業や食品メーカー向けにビーンレスコーヒーを発売しました。

伝統的な製造プロセスでコーヒーの風味を再現


Voyage Foodsの代替コーヒーは、焙煎したひよこ豆と米のもみ殻から作られ、従来のコーヒーと同じ含有量となるよう緑茶由来のカフェインを配合。

発注量に応じて、従来のコーヒーより最大40%の低価格を実現しており、メーカーにとって利益を確保できる魅力的な原料となっています。

焙煎、リキッド、濃縮リキッド、インスタントなど数種類に加え、ノンカフェインのバージョンも用意。市販されているほかのビーンレスコーヒーに比べて、成分リストも短く抑えました。

創業者でCEOのAdam Maxwellによると、コーヒーの風味を再現する上では、原料の加工方法が鍵。同社の製造プロセスは「伝統的なコーヒー焙煎のプロセスを出発点としており、それと非常によく似ている」といいます。

コーヒー業界の「2050年問題」とは


環境の変化に弱く、気候変動により大きく影響を受けやすいコーヒー業界を脅かす「2050年問題」。

アラビカ種の栽培に適した耕地は2050年までに半減する可能性があるといわれており、アラビカ種と並ぶロブスタ種でもコーヒー豆の価格は今年に入って63%上昇し、過去最高を記録しました。

供給不足への懸念から栽培を拡大しようとする試みは、熱帯林伐採などの環境問題をさらに助長しています。

Voyage Foodsは、豆を使用しない新製品によって、倫理的で持続可能、かつ手頃な価格の代替品を提供することを目指しています。

日用品のコーヒーに代わる持続可能な代替品


2021年に設立されたVoyage Foodsは、植物由来の原料を用いてナッツフリーのスプレッドを開発するところからスタート。

その後カカオフリーのチョコレートも開発し、今年4月に発表したカーギルとの提携により、世界中の企業に向けた代替チョコレートとナッツフリースプレッドの販売が実現しました。

5月には、Level One FundHorizons Venturesが共同で主導した資金調達ラウンドで5,200万ドル(約81億1,000万円)を調達。このラウンドを経て、同社の調達総額は9,400万ドル(約147億円)に達しています。

新製品となるビーンレスコーヒーの市場としては、全体の約20%を占めるスペシャルティコーヒーではなく、残りの大半を占めるコモディティコーヒー市場がターゲット。

CEOのMaxwellは、「人々にとって日用品となっているコモディティコーヒーに代わる、環境に優しく倫理的に生産された代替コーヒーを供給することで、可能な限り大きなインパクトを与えたい」と語っています。

参考記事:
Voyage Foods Enters Beanless Coffee Category with Bean-Free Brew for Foodservice Operators and CPG Brands
Voyage Foods Launches Bean-Free Coffee for Food Service & CPG, Underpricing Traditional Coffee
Voyage Foods Debuts Beanless Coffee for Cafés and Brands, and It’s 40% Cheaper

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