ニュージーランドのNutrition from Waterが微細藻類ベースのホエイを開発、米国・日本市場への投入に向け準備中
ニュージーランドを拠点とするNutrition from Water(旧称:NewFish)が、スポーツ栄養、ウェルネス、ベーカリー、乳製品フリースイーツなどのカテゴリー向けに、微細藻類ベースのホエイタンパク質を開発。
来年中に、米国と日本をはじめとした世界市場に投入する計画を明かしています。
プロトタイプ開発を完了し、製品化へ
「Marine Whey」のブランド名を冠したこの原料は、動物性タンパク質に匹敵するアミノ酸プロファイルを提供する一方、消化率では植物性タンパク質をしのぐとされています。
アレルゲンフリーかつGMOフリーのヴィーガン製品で、米国での販売に必要なGRAS(Generally Recognized as Safe)認証も取得済み。
ニュートラルな味のため、栄養飲料・食品、日常的な食事、スナックに至るまで幅広い用途に使用することができ、一般消費者から一流アスリートまで等しく恩恵を受けられる原料となります。
Nutrition from Waterは、米国と日本を皮切りに、2025年中にMarine Wheyのグローバルな市場投入を計画。
米国では、オープンイノベーションを促進するフードテック界のエコシステム「MISTA」に参加し、微細藻類をベースとしたホエイのプロトタイプを発表しました。これまでにNotCo、Geltor、Yali Bioといったスタートアップ企業も、MISTAを通じて規模の拡大に成功しています。
自然の水域に生息する藻類をタンパク源に
Hamish HowardとAlex Workerが2020年に設立したNutrition from Waterは、自然の水域に生息する微細藻類のような生物を発酵させることで、新しい食品カテゴリーの創造を目指す企業。
ニュージーランドのオークランドと米国・サンフランシスコにオフィスを構え、ポルトガルの製造業者と協力して、来年の発売に向け製品開発を進めています。
微細藻類を活用する理由は、高タンパク質含有量に加え、高い収率(バイオマスが24時間で倍増)、食品への組み込みやすさといった商業生産に不可欠な特性のため。
さらに、微細藻類がタンパク質を作るために使用する糖分を別の微細藻類に生産させることで、環境負荷の少ない循環型の生産システムを構築できるといいます。
こうした可能性を評価され、今年5月にシンガポールで開催されたFuture Food Asiaでは、カーギルの主催による「Nutrition for Tomorrow Award 2024」を受賞しました。
参考記事:
Nutrition from Water Develops Microalgae-Based Whey, Prepares for Market Introduction
NXW scales up micro-algae based whey for overseas launch – Future Alternative
New Zealand’s Nutrition From Water accelerating scale-up of microalgae-based whey to launch in Japan, Europe and US
この記事へのコメントはありません。