米HelainaがシリーズBラウンドで約64億円を調達、年内にもヒトラクトフェリンの商品化を計画
米国の精密発酵企業Helainaが、シリーズBラウンドで4,500万ドル(約64億円)の調達を行ったと発表しました。
年内にも米国でヒトラクトフェリン「effera」の商品化を予定しています。
有数の資金力を持つ精密発酵企業に
Avidity Partnersが主導した同ラウンドでは、Spark Capital、Ingeborg Investmentsなども支援を行っています。
Helainaの調達総額は8,300万ドル(約118億円)に達し、精密発酵を手掛けるスタートアップ企業の中では、世界でも有数の資本規模を持つ企業となりました。
母乳に含まれるタンパク質の一種ラクトフェリンは、栄養吸収の改善と認知機能のサポートを提供することで知られています。
Helainaによると、「effera」は女性の健康や栄養をサポートする生物活性成分であり、臨床・非臨床試験により、ウシラクトフェリンよりも効果が高いことが示されているとのこと。
粉末状のため汎用性と保存性が高く、非常に低い含有量で効果を発揮するため、メーカーはさまざまな形態の製品に組み込むことが可能です。
米国では、Kroma Wellness、The Feed、Levelle Nutrition、Healthgevityといった消費者向けブランドが、機能性食品、飲料、サプリメントにefferaを使用する予定。
また、Mitsubishi International Food Ingredients(三菱商事の北米における事業会社)などの流通パートナーを通しても販売を行う予定のほか、Helainaの創業者でCEOのLaura Katzは、粉ミルクメーカーと共同で乳児用粉ミルクを発売する計画も明かしています。
希少なラクトフェリンの大規模供給へ
2019年にニューヨークで設立されたHelainaは、希少成分であったラクトフェリンを精密発酵プラットフォームで生産する方法を模索。
同じ精密発酵企業のThe EVERY CompanyやRemilkが活用しているのと同じ酵母株、Komagataella phaffii(別名、ピキア酵母)を使用しています。
2022年には、世界的な粉ミルクの不足により、米国内で粉ミルクを製造する全施設に対して販売可能な製品を製造することが義務付けられ、一旦は研究開発の中断を余儀なくされるものの、昨年粉ミルク75,000本分のラクトフェリン生産というマイルストーンを達成。
無事、精密発酵ラクトフェリンの大規模な商用化の準備段階に入ったことを発表していました。
米国での発売に向けてはGRASステータスの取得というステップを残していますが、市場投入が近づく中、間もなく自己認証の取得を見込んでいるものとみられます。
参考記事:
Helaina Raises $45M to Commercialize First Precision-Fermented Human Lactoferrin
Helaina Raises $45M to Launch Effera Human Lactoferrin with Kroma Wellness, Mitsubishi & More
Helaina raises $45m series B round to support market entry of human lactoferrin
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