Fooditiveがアップサイクルしたフルーツで作られる甘味料を米国市場で発売

オランダの植物由来原料メーカーFooditive Group(以下、Fooditive)が、砂糖に代わる持続可能な新商品を米国市場向けに発売しました。

砂糖の味と機能性を再現した天然甘味料


新商品の「Keto-Fructose(5-ケト-D-フルクトース)」は、リンゴと洋ナシに含まれるフルクトースから作られる低カロリーの天然甘味料。

Fooditiveは、この新たな甘味料は砂糖の風味プロファイルを忠実に模倣し、並外れた甘さと機能性、持続可能性で、代替砂糖の新基準を確立すると主張しています。

米国での販売にあたり必要なGRAS自己認証はすでに取得済みで、現在、米国食品医薬品局(FDA)からの正式なGRASステータス取得に向け申請中です。

同社CEOのMoayad Abushokhedimは、砂糖の代替に伴う課題について、「砂糖代替の有効性は味だけで測れるものではないと認識している」とコメント。

「Keto-Fructoseは砂糖の甘さを再現するだけにとどまらず、さまざまな用途でシームレスに使用できる機能性を備えており、先進的なソリューションで食品メーカーの真のニーズに応えるという当社の姿勢を反映している」と述べています。

食品廃棄物をアップサイクル


Keto-Fructoseは、リンゴや洋ナシを加工する際に出る廃棄物を原料に、天然酵素を用いたバイオコンバージョン* プロセスによって製造されます。

副産物を活用することで、環境への影響を最小限に抑えながらコストを削減し、廃棄物を減らすサーキュラーエコノミー(循環型経済)に貢献。

この原料を使用する食品・飲料メーカーにとっては、味や食感、保存性などに妥協することなく砂糖の含有量を減らし、より健康的な製品を作ることが可能になります。

Fooditiveによると、すでに大手の食品・飲料メーカーも関心を示しており、米国市場での採用を促進するための提携を模索しているとのこと。

* 生物の持つ機能を利用して、ありふれた物質を有用物質に変換する技術。

健康意識の高まりに伴い需要が拡大


Fooditiveは2018年の設立以来、精密発酵を利用してハチミツや乳タンパク質の一種カゼインなどの動物性原料を生産する、独自の酵母菌株を開発してきました。

甘味料についても以前から開発を進めていましたが、同社のウェブサイトによると、欧州での認可取得が途中で止まっている様子。今回、米国市場に軸足を移すとともに、ほかの地域でも申請を行っています。

発酵技術をベースに砂糖の代替品開発を目指す企業には、果物由来の甘味タンパク質ブラゼインを生産するOobliや、天然のトリュフに由来する甘味タンパク質を発表したMycoTechnologyなど(いずれも米国企業)。

砂糖は世界的な健康問題の増加にも関与が深く、特に砂糖消費量の多い米国では成人の5人に2人が肥満とされ、1億4,000万人以上が2型糖尿病または糖尿病予備軍ともいわれています。

より健康的で安全な代替品に対する需要は高まっており、市場としても大きな可能性があると考えられます。

参考記事:
Fooditive Sweetener ウェブサイト
Fooditive Launches Revolutionary ‘Keto-Fructose’ Sweetener from Apples and Pears in the US – a Healthier, More Sustainable Alternative to Sugar | LinkedIn
Fooditive Unveils Guilt-Free Sweetener Made With Upcycled Apples & Pears for US Market

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