南アフリカのImmobazymeが約2億円を調達、精密発酵タンパク質の生産を強化
南アフリカで精密発酵技術の開発を進めるImmobazymeが先月、最新の投資ラウンドで130万ドル(約2億800万円)の資金調達を行ったと発表しました。
微生物を用いて成長因子と酵素を生産
Immobazymeは、南アフリカ随一の教育・研究機関であるステレンボッシュ大学からスピンオフする形で設立された企業です。
細胞農業、幹細胞研究、組織工学、再生医療などの幅広い分野に向けて、費用対効果が高く効率的な成長因子を生産する、モジュール式のタンパク質発現システムを開発したと主張。
RemilkやThe EVERY Companyなど多くの精密発酵企業と同様、メチル栄養細菌の一種であるピキア酵母(Pichia pastoris)を工場代わりに使用しています。
今回の資金調達ラウンドでは、University Technology Fundがリードインベスターを務め、ステレンボッシュ大学の研究成果に基づいた技術移転などを行う企業のInnovusが参加しました。
新たな資本を得て同社は、現在の施設の生産規模を倍増させ、プラットフォームを拡張する計画です。
砂糖の製造に必要な酵素デキストラナーゼ
Immobazymeはまた、酵素の効率と安定性を高める酵素固定化プラットフォーム「PepTrap」を開発し、他企業が生産プロセスの中で酵素を利用しやすくするソリューションを提供できるとのこと。中でも、砂糖の製造に使われるデキストラナーゼが主力となっています。
デキストラナーゼは、サトウキビやテンサイに含まれる微生物(Leuconostoc mesenteroides)によって作り出され砂糖製造において一般的な汚染物質となる、デキストランガムを分解する酵素。
多糖デキストランの結合を効率的に狙って単糖に変換し、生産工程の効率化、廃棄物とコストの削減、そして高品質の砂糖製造を保証します。
参考記事:
Immobazyme ウェブサイト
South Africa’s Immobazyme Raises $1.3M to Boost Production of Precision Fermentation-Derived Proteins
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